(マーケティングリサーチにおける)リクルートの重要性。失敗しないためには?

リクルート

マーケティングリサーチにおいて、正確かつ有効なデータを得るためには、適切なリクルート方法が欠かせません。(マーケティングリサーチにおけるリクルートとは調査対象者を集めることを指します)
調査テーマに対して何が求められているのかを正確に捉え、正しい調査対象者を選定することはリサーチの成功に大きく影響します。調査対象者が適切に選ばれていなければ、調査結果の信頼性は無くなり、誤った結論を導いてしまうこともあるのです。

本記事では、マーケティングリサーチにおけるリクルート方法と、注意すべきポイントについて解説します。リクルートのプロセスや留意すべきポイントをまとめていますので、リサーチの精度や信頼性を損なわないためにマーケティングリサーチを行う際には、ぜひこの記事を参考にしてください。

マーケティングリサーチにおけるリクルートの重要性

リサーチ対象の選定がリサーチ結果に与える影響

改めて申し上げますが、マーケティングリサーチにおいて、正確な情報を得るためには、調査対象者の選定が非常に重要です。調査対象者は、一般的に、製品やサービスのターゲット層に属していることが望ましいです。また、調査対象者がリサーチの目的に適していることも重要です。適切なリサーチ対象者を選ぶことで、調査結果の信頼性を高めることができます。

調査対象者の選定のポイントと考慮すべき要素

調査対象者の選定において考慮しなければならない4つのポイントを取り上げました。

①ターゲット層の明確化

リサーチの目的に合わせて、ターゲット層を明確に定義します。(例えば、購買している年齢層や職業などを対象とするなど)

②リサーチの目的に適した属性

リサーチの目的に応じて、必要な属性を選定します。(例えば、特定の製品の購入経験がある人や特定のサービスを利用したことがある人など)

③サンプル数の確保

リサーチの信頼性を高めるためには、(特に定量調査においては)十分なサンプル数を確保する必要があります。リサーチの目的や予算に応じて、適切なサンプル数を設定します。そもそも希望するような調査対象者の出現率が低い場合には、リクルート手法を考慮しつつ実際に人が集まるのか検討しなければなりません。

④サンプルの偏重に注意

単にサンプル確保をすれば良いというわけではなく、偏った属性だけを集めたりしないように注意が必要です。偏った結果となる可能性がありますので、購買層や人口動態の比率に合わせるなど、内容に合わせて数を確保することも忘れてはなりません。

マーケティングリサーチにおけるリクルート方法

調査対象者をリクルートするにはどのような方法があるのか、主な4つの方法を取り上げて説明します。

オンラインの調査パネルの利用

現在ではこの方法が最も一般的です。
調査会社のオンラインパネルの登録者に対して、インターネットを介してリクルートを行います。この調査方法をスクリーニング調査と言いますが、これにより、特定の対象層や市場セグメントからリサーチ対象者を集めることができます。

機縁法(機縁リクルート)

かつてはリクルートと言えば”機縁法”でしたが、各調査会社が抱えている調査員(リクルーター)などの人的ネットワークを通じてリクルート方法を機縁法(機縁リクルート)と言います。主に会場調査やグループインタビューなどリアル調査で活用されるケースが多いです。ネットのリクルートでは難しい出現率の低い対象者条件に適しており、調査対象者一人一人に細かくヒアリングするため不良な調査対象者を排除することできます。

ハウスリストの利用

自社の購入した顧客や会員登録などのリストを活用して、その人たちにアンケートやインタビューを依頼する方法もあります。自社商品・サービスを良く知っている人なので、リアルの声を聴取することができるところが最大のメリットです。

SNSの利用

最近では、Facebook、X(旧Twitter)、Instagramなどのソーシャルメディアプラットフォームを利用して、調査対象者を募集するケースも増えています。ターゲットとなるユーザーグループにダイレクトにアプローチを行ったり、広告配信で参加を呼びかけたりします。調査会社に依頼することなくリクルートすることができるため、安価で実施できることがメリットですが、その反面、自分たちで日程調整などを行う必要が出てきます。

調査対象者の抽出方法(サンプリング)

リクルートを行う場合、調査内容によっては抽出方法(サンプリング)を考慮する必要が出てきます。ここでは代表的なサンプリングを取り上げ説明していきます。

ランダムサンプリング(無作為抽出法)

ランダムサンプリング(無作為抽出法)は、調査対象者を完全にランダムに選定する方法のことです。母集団全体を代表する信頼度が高まりますが注意点として、バイアスが生じる可能性があるため、別途細かいセグメンテーションを考慮するなどの対策をする必要性が出てきます。

層別サンプリング

調査対象者を事前にいくつかの層に分割し、それぞれからランダムに抽出しリクルートを行う手法です。異なる各層からデータを収集できますが、適切な層別化が行われない場合、偏ったリサーチ結果に成りえます。

割当法(クォータサンプリング)

割当法(クォータサンプリング)とは、事前に設定されたクォータ(割り当て枠)に基づいて、サンプリングを抽出します。例えば特定のエリアや年齢、性別ごとにクォータを設定し、それに基づいてサンプリングを行います。

リクルートについての注意点

実際にリクルートを行うにあたり、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか。

ターゲットの特定と適切な調査手法の吟味

リサーチの実施を計画する際、リサーチの目的に合わせてターゲットを特定することを最初に行います。
それと並行しながらリクルート方法を検討します。最近では先述したオンラインパネルからリクルートを行うことが多いですが、リサーチの目的や予算に応じて、適切なリクルート方法を選ぶことが不可欠です。

偏りのないリサーチ対象の選定(バイアスの管理)

調査対象者の選定者について、偏りが生じないように注意する必要があります。特定の属性や特性に偏ったリサーチ対象者を選ぶことは、調査結果の信頼性を損なう可能性があります。

プライバシーと個人情報の保護

調査対象者の個人情報を取り扱うことになるので、プライバシーと個人情報の保護に十分な配慮が必要です。個人情報保護法に遵守し、個人情報を適切に保護する対策を講じることが必要です。

リサーチ対象者への報酬・インセンティブについて

調査対象者への謝礼は必要不可欠です。報酬やインセンティブの種類や金額は、リサーチの内容(手法の難易度や拘束時間)や予算に応じて適切に設定することが重要となりますが、相場感がわからない場合は調査会社に相談して決めることをお勧めします。

まとめ

調査対象者は誰でも良いというわけではなく、適切に行うことが重要であるか、ご理解頂けたかと思います。弊社は業界でも老舗にあたり、様々な調査対象者をリクルートしてきました。もし調査対象者がなかなか見つからない、どうやってリクルートしたら良いかわからない等、お困りごとなどございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

また、弊社のリクルート業務について、弊社のホームページにも掲載してありますので、ぜひともご覧いただけますと幸いです。

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(digmar編集部)