マーケティングで使うペルソナとは?メリットや注意点を解説

マーケティングでよく使われるペルソナ(分析)。古くからある手法でマーケティングに携わっていない人でもペルソナという言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。企業は、顧客視点の商品やサービスを開発するために、そのペルソナを活用してマーケティング活動を行っています。特にユーザーの興味、関心が多様化している現代、ペルソナ分析が重要となっています。今回はその「ペルソナ」について、どのような内容なのか、なぜ重要なのかといった基本的なことを中心に解説していきます。

ペルソナとは

マーケティングで使われるペルソナとは、実在する人の生活スタイルや行動などをリサーチして作り上げる仮想の人物像(ユーザー像)のことです。人物像の性別、年齢、居住地、職業(業種)、趣味、家族構成など詳細に設定し、できるだけリアルな人物像を作っていきます。
そして、その設定したペルソナ像のニーズを満たす商品・サービスの開発を行っていくのです。リアルな人物像を作り上げることで、より具体的に考えることができアイデアが生まれやすくなります。

ペルソナとターゲットとの違いは?

ペルソナとよく混同されるのが、ターゲットです。では、何が違うのでしょうか。

ペルソナは『個人』のイメージ

ターゲットとペルソナの違いは、ターゲットは同じような属性や傾向のことを指します。例えば「20代男性、会社員」のような括りです。一方、ペルソナは「具体的な一人の人物像」です。例えば「20代男性、〇〇会社勤務、ゴルフ好きで毎週末にコースや練習場にいく、家族構成は奥様と二人暮らし、都内賃貸マンションに住む」のようにまとめます。『どのような人か』(個人)のイメージが浮かぶような詳細な人物像です。

ペルソナを作るメリットとは?

では、ペルソナを作るメリットはどのようなことか、解説していきます。

チーム・組織での共感

ターゲットではなく一人の人物像であるペルソナまで落とし込まないと、チームメンバーの認識ズレが生まれてしまい、開発途中でやり直すや修正をすることになる可能性があります。振れ幅が大きいと、立場によっても、部署によっても捉え方が違ってきます。具体的な人物像を描くことで、その認識ずれを防止することができ、メンバーが共感し、チームの共通認識として進めることができるのです。

顧客理解(ユーザ目線で考える)

定量情報や定性情報の多くのデータを活用してペルソナを作ります。ペルソナは一人の人物像ですが、そのニーズを満たすような商品・サービスの開発を行うことで、顧客視点の商品・サービスの開発につながっているのです。
ペルソナを作らず、自社の顧客像を自社本位で設定し、各部門の都合や自社の視点でマーケティングを考えてしまい、理想とは違う方向性に向かってしまうリスクがあります。顧客視点でものづくりを行うためにはきちんとペルソナを作ることが重要です。

商品化につながる

リアルな人物像として作り上げるため、この人なら「このような悩みを持っているのではないか」「このような使い方をするのではないか」と、課題やニーズの発見に気づきやすくなります。そして、ライフスタイル、趣味、嗜好性など細かく設定するため、実際のユーザーに商品・サービスの開発に役立つことができるのです。
どのような商品・サービスについても有効的でプロモーションなどにも幅広く展開可能です。

ペルソナを作る上での注意点

ペルソナを作るのには、時間もかかりますし、労力もかかります。せっかく作ったものが無駄にならないよう、注意点をまとめました。

思いこみやイメージで作らない

自分のイメージや先入観で作らないよう注意が必要です。自分の思うイメージや経験を反映してしまうと本来の姿と違った内容となってしまいます。そうならないために、口コミやSNSなどのデータ分析や実際にインタビューやアンケート調査を行うなど、しっかりとリサーチすることが重要となってきます。客観的な観点で作ることが肝になります。

できる限り具体的な(リアルな)人物像に落とし込む

先述したように、リアルな人物像に近づけることが重要です。情報が粗かったり、薄いとしっかりとしたペルソナができません。写真や動画などを使うことで、よりイメージしやすくなりますので利用することを推奨します。

ペルソナの作り方(手順)

では、どのように作ったらよいか、具体的な解説していきます。

情報収集を行う

自社の分析を中心に行います。カスタマーセンターに集まる声、口コミ情報、SNSなどの情報を収集します。また、官庁の公になっている統計データや競合商品も含めた分析も行います。

リサーチの実施

机上の情報収集では深層まで把握することは難しいです。よって、リサーチを行う必要があります。それらしきデータがあるから、それをまとめ、性別や年齢などの属性情報を加えて、さぞかしペルソナのように見せている場合があります。それはペルソナとは言えません。利用している場面などが考慮されておらず主観で作っているのです。そうなると、そのペルソナは実態とはそぐわないものになってしまう可能性があります。よって、リサーチが必要となってくるのです。

<リサーチの例>

  • インタビュー:1対1のインタビュー(デプスインタビュー)で、この手法が一般的です。一人に対して、利用シーンやその理由など深く聞くことができます。
  • アンケート調査:リサーチ会社に依頼しターゲット層に対し実施することもできます。
  • 自社顧客(取引先)にインタビュー:自社の営業などに依頼し、取引先の人にインタビューをすることも考えられます。ただし、自社の人が直接インタビューをすると、気を使って本音を語ってもらえない場合もありますので、注意が必要です。

観察調査の方が良いなど、ケースによって、それに合う調査手法がありますので、リサーチ会社に相談することを推奨します。

ペルソナの設定

リサーチの終了後、実際にペルソナを作っていきます。

  • データを分析後、特徴を言語化し、ふせんに書き記していきます
  • 似たようなニーズを持った同士をまとめグループ分けを行います
  • グループ毎にライフスタイル、商品の使用目的などをまとめ、人物像を定義する
  • そのグループに似つかわしい属性情報を作る
  • ペルソナの順位をつける

ストーリーを考える

作成したペルソナの特徴をもとに、そのペルソナのストーリーを考え、まとめていきます。
ペルソナのストーリーとは、ユーザーが商品・サービスを実際に利用する行動をストーリーにしてまとめることです。ペルソナだけでは不十分であり、シナリオを加えることによって、「ユーザーが行動をするのか、どのように考えているのか」具体的に見えてくるのです。

定期的な見直し

実際に運用してみると、想定とは違った結果になることもあります。また、市場環境も常に変化しています。そのため、設定したペルソナを定期的に見直しを行い、アップデートしていくことは大切です。

ペルソナの例
ペルソナの例

このように一人一人作っていきます。どのような人物像なのか、イメージしやすいと感じると思います。

まとめ

ペルソナについて解説してきました。ペルソナ分析をするには時間とコストがかかりますが、顧客視点でのマーケティングに有効的な手法です。
また「カスタマージャーニーマップ」を作る上でも、ペルソナ作りがカギとなります。
もし、ペルソナ分析について、ご相談などございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

(digmar編集部)

>>参考|【最新版】ペルソナ(ターゲット)の設定方法!集客したいなら必ず学ぶべし|WEBMARKS

>>参考 | ビジネスでのペルソナ設定例 | デジ革ご一緒サービス