<リサーチ相談室>Vol.3 新たな商品価値創出につながる「生活者インサイト」を正しく得るには

調査・リサーチや商品企画を担当されている方は、日々多くの悩みを抱えながらもなかなかご相談できる先がない、というお声をよく聞きます。そうしたさまざまな課題をお持ちの方のお悩みに、マーケティングリサーチを中心に多くの企業を支援してきたマーケティング・リサーチ・サービスの「中の人」が応える「リサーチ相談室」。

第3回は「生活者インサイト」(コンシューマーインサイト)について。企業が正しいマーケティングを行うために最も必要な情報ですが、先入観や建前を取り除いた有用な知見を得るためには、留意するポイントが多数存在します。この記事では、生活者インサイトの重要性や必要な情報、具体的な事例をご紹介します。

相談者(ペルソナ)

プロフィール:
勤務先 大手食品メーカー
部署  商品開発部 企画課
年齢  30代前半
性別  男性

業務内容:
入社以来商品開発部の研究開発部門に従事し、主に市販・業務商品全般の新商品開発を担当。数ヶ月前に企画部門に異動となり、市場ニーズに沿った商品アイディアの提案と研究開発部門との連携を担当。

お悩み内容:
定番シリーズ商品のトライアル・新規顧客層獲得のために、新商品開発を検討している。
生活者のニーズを踏まえ、味の種類やサイズ、パッケージなどあらゆる選択肢から検討する必要があるが、「勝ち筋」を見つけるための適切なインサイトがなかなか見つけ出せず、社内への説得力も生み出せていない。

世の中にデータが増えれば増えるほど重要性が増す「生活者インサイト」

「生活者のインサイトを起点にした商品開発」「インサイトを見出すためのデータの見方」など、マーケティング関係の事例を紹介するメディアなどで「インサイト」という言葉がキーワードとして言及されることが多くなってきました。

現代では、購買情報やそれに至るまでの行動情報、位置情報などさまざまな行動データが可視化された状態で提供されます。そうした莫大なデータから、顧客となる生活者を想像し、適切なマーケティングに繋げていく必要がありますが、生活者が真に求めているニーズは、データで単純に表現されているものではないことが多いです。

商品やサービスの採用背景を支える「心の奥底」を捉えるためには、多くのデータの中から適切なものを取捨選択し、適切な視点で見つめ、組み合わせる必要があります。抽出したデータをさらに解釈し、核心に迫るために整理したものが『インサイト』です。
また、そのためにはそもそもどのようなデータを取得する必要があるのか、ということも考えなければならず、非常に難しいものであると言えます。

正確な生活者インサイトの獲得のために必要な情報と在り方とは?

弊社マーケティング・リサーチ・サービスでは、多くの企業様に対して『生活者のインサイト』(コンシューマーインサイト)を探求する支援してきました。その中で、『インサイト』を理解する正確に行うためにまず必要な情報と求められる姿勢は下記だと考えます。

●人間を丸ごと知ろうとする

このようなリサーチでは、商品やサービスの是非や感想だけでなく、その人がどんな人で、何を考えて、その現象に結び付いているのか、といった因果関係の把握に重点を置きます。「手段」の上位には「目的」があると考え、その概念の間に矢印を入れていくような整理で人を理解しようとします。

●その人のいる環境や文化まで広く知ろうとする

人の言動は、その人が暮らす社会や時代の風潮、その人が所属するコミュニティの影響を受けます。高校生には高校生の常識があるように、その人の生きている社会的文化的背景の理解が重要です。

●深いところまで知ろうとする

広く捉えるだけでなく、深さを意識することも重要と考えます。アンケートやインタビューを通して把握していることの多くは、強弱はあれども人が普段意識していること(顕在意識)であり、理性的な部分と言えます。しかし、人はその下に感覚的な部分や無自覚な部分、つまり潜在意識・無意識を持ち、ここが意識全体の95%を占めるとも言われています。したがって、手を変え、品を変え、できるだけ本質的な部分にアプローチし、深いところに潜んでいる情報を取り出そうとします。

有効なインサイトを得るためのリサーチの留意点・より詳しい事例を知りたい方は・・

生活者インサイトを正しく理解するためには、表面的な回答で満足せず、できる限り広く深く生活者を理解しようとすることが重要です。
潜在意識や無意識に迫ることで、見出せてこなかった生活者の課題やニーズを可視化し、それを解決するための自社商品のアイディアに繋げることができます。

しかしそのためには、調査対象者を理性的・意識的にさせないなど、インサイトを引き出すための留意点が存在し、独特のノウハウや手法が必要になります。具体的なものや事例をより詳細にお知りになりたい方は下記のページをご覧ください。

生活者インサイト理解の事例や成功のための手法・留意点について詳しく知る>>>

まずは相談してみませんか?

前述の通り、弊社マーケティング・リサーチ・サービスでは、多くの企業の生活者インサイトを支援してきたノウハウを元に、課題をもったご担当者様のご相談を受け付けております。
第三者とのアウトプットを繰り返す中で自社の課題や不足店について、自社だけでは気づきにくいことも含め整理できますので、まずはお気軽に資料請求やご相談ください。

また、本件は弊社ホームページに掲載している内容をカスタマイズしております。他の施策についても掲載しておりますので、ホームページの方も併せてご確認ください。(詳細はこちら)

(digmar編集部)