フードロスに物価高騰…ドライフードメーカーが食卓の救世主に?

ここ数年で世界情勢が大きく変動し、食をとりまく課題も山積しています。物価高騰や食品ロス削減など実生活に関わる問題も多く、これからの食卓では、食品を長く保存しうまく活用することがより重視されると予想されます。2022年6月に一般家庭用のドライフードメーカーを発売した、圧力鍋の老舗「ワンダーシェフ」にその需要や商品開発の経緯をうかがいました。

お話をうかがった方
株式会社ワンダーシェフ
商品部 丸岡 望氏

生活者に直撃する食の課題にドライフードメーカーができること

2022年6月に発売したドライフードメーカー。置き場所がA4サイズに納まるコンパクトでありながら、5枚の乾燥網が入り、一度にたくさんのドライ調理が可能です。自家製のドライフルーツや乾燥野菜が作れるほか、発酵モード付きで、ヨーグルトや甘酒も作れます。

圧力鍋の老舗がドライフードメーカーを手掛けられたのは、なぜでしょうか?

当社は主力商品は圧力鍋ですが、パスタポットやエスプレッソメーカーなど圧力鍋以外の製品も開発しております。新しい製品を開発するための会議で、私たちのモットーである「おいしくて楽しくてしあわせな食卓を作る」にヘルシーが加わったらいいよねという話から、ドライフードに着目しました。

コロナ禍以降、健康や栄養に気を遣う生活者が増えたのもあるのでしょうか。

栄養に気遣った食生活を続けるというのは意外と難しいものです。「フルーツはとりたいけど、りんご1個は食べきれない」「売っているドライフードは砂糖がたくさんついていて控えたい」といったハードルを感じている人も少なくありません。

また、この企画が動き始めたのは2年ほど前でコロナ禍にあり、健康志向の高まりと同時にSDGsにも大きく注目が集まっていました。ドライフードメーカーは食材を無駄にせず、皮ごと食べられるように加工でき、食品ロス削減に貢献できます。
社員一同、食に対する愛が強く、圧力鍋でもなるべく食材を余さず食べることを心がけているので、そうした当社の想いにもマッチしていると感じています。

物価高騰によるユーザーの需要に応える

最近は、ウクライナ危機や円安などの影響で物価高騰が生活者に打撃を与えています。その影響で食材を工夫して保存する調理家電が注目され、ドライフードメーカーのニーズが高まっているというデータもあります。

食材の高騰により、食材をまとめて購入する方もいらっしゃいますよね。これまで、割高でも食べ残しのないように少ない量を選んでいた方も食材の購入の仕方が変わっていくことも考えられます。そうした中で、旬で安くなった食材を多めに買っても保存でき、うまく使い切れるドライフードメーカーがそのニーズにマッチしたのでしょう。

一人暮らしや核家族化に加えて物価高騰も。大量に入手した食材を使い切る需要は高いですね。クックパッドのレシピ検索でもそう感じます。

多めに購入して残った食材が冷蔵庫でしなびていくのを見るのは心苦しい一方で、レシピの力だけで大量消費するのは限界がありますよね。

クックパッドさんで検索されているような、キャベツやトマト、きゅうりなどは、ドライフードメーカーを使うと乾燥野菜ならではの味わいが楽しめる食材です。多めに購入した食材を乾燥させておけば、翌日のお味噌汁が包丁を使わずに作れて、節約にもなります。うまく使い切っていただければ、買い物へ行く頻度も減ります。

いいことづくしですね。物価高騰の中、暮らしの中で実践できる有効な一手になりそうです。乾燥野菜ならではの美味しさとはどんな味わいなのでしょうか。

個人的にはきゅうりを半分乾燥させると、意外なおいしさがあっておすすめです。水分が抜けるので食感が際立って、和え物にすると味がしみやすくなります。キャベツも同じく水分が抜けることで、繊維の食感が際立って、油や調味料少なめのヘルシーな回鍋肉に。トマトやきのこはうまみがぐっと増します。

傷みが早いもやしも乾燥させれば、長持ちします。スープに入れると綺麗に戻っておいしいですよ。

きゅうりなど冷凍できないものも、乾燥すれば保存がきくのはうれしいですね。食材は何種類くらい試作されたのですか?

あらゆる食材をひたすら乾燥させたので、もう何種類かわからないくらい試作しました。1年間、旬に出回る果物や野菜を扱うのは、圧力鍋の開発ではなかったことなのでもっとも苦労した工程でした。季節によって水分量が変わる野菜もあり、発見も多かったです。

ドライフードメーカーには食材と乾かす時間などを記載した早見表をつけているので、色んな食材にチャレンジでき、お客さまの満足度につながればいいなと思います。

無理せず続けられる手軽さが主婦層にもマッチ

実際にお客さまの反応はいかがですか?

まだ、発売して間もないので購入いただいた方からのお声を集められていないので、私自身や社員など、よく使っている者の感想をお話しますね。

A4サイズに納まるコンパクトさで、ダイヤル式の感覚で操作できて、調理家電として使いやすく、しまいやすいのが、日常的に使えるポイントだなと感じています。

ドライフードメーカーはもっと大きくて、場所をとるものが多いですよね。

網が5枚入っていて大量に作ることもでき、コンパクトさと両立できているのは他社と違う点ですね。

あと、使うたびに料理を担う人たち、子どものいる家庭にはぴったりだなと思います。買ってきた食材をまとめて切って、タイマーをかけてほったらかしにしていると一晩で乾燥野菜やドライフルーツが完成します。金曜日に作っておけば、週明けがラクになるのもうれしい。

子どもの朝食やお弁当で半分だけ使ったリンゴやバナナの残りも、スライスして乾燥させれば、おやつに。操作が簡単なので、小学4年生の娘に野菜や果物をピーラーやスライサーで切って、並べてタイマーをかけるまでの一切をやってもらうこともあります。

フードロス削減や食費の節約はどこか「頑張らないとできない」と思いがちですが、これなら家事の自然な流れで実現できそうです。

食材によっては濃厚になって、ワンランク上の味わいになるものもあり、楽しんで使っています。最近は干し芋を作るのにハマっていて、お気に入りの品種を探して、食べたい時に食べたい分だけ乾かせるのがいいんです。

他に、みなさんどんな使い方をされているのでしょうか。

添加物が気になるそうで、自家製のペット用のジャーキーを作っている方もいらっしゃいました。

色んな使い方があるんですね。最近はクックパッドでも「ドライフードメーカー」の検索頻度も少しずつ伸びているので、これからは多様なレシピで楽しんでいただきたいです。ドライフードメーカーの認知度が上がれば、思わぬ使い方も出てきそうです。

そうですね。クックパッドさんは肩の力が抜けた家庭料理のレシピがたくさんあって、いつも参考にしています。そういう雰囲気で楽しんでもらえるとうれしいです。

ドライフードメーカーを通して、ワンダーシェフを知ってくださるお客さまも増えると思います。圧力鍋のことも知っていただき、相互にいい作用があることを期待しています。

※この記事はクックパッド株式会社が運営するFoodClipからの転載記事です。