【自社アンケート調査】スタイリスト(美容師)アンケート(Vol.4)

スタイリスト(美容師)の”今”を知る第4弾。 スタイリスト(美容師)の職場ロイヤルティは?

弊社が保有しているモニター、スタイリスト(美容師)に対しておこなっているアンケート、今回は4回目です。
アンケートの内容は、現在お勤めしている職場(店舗)に対するロイヤルティ(忠誠度)の強さを聞いてみました。また、店舗についてどう思っているかもあわせてアンケートを行い、本記事で調査結果をまとめて紹介します。

アンケート調査の概要

調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:弊社保有モニター
     スタイリスト(美容師)経験2年以上の男女(全国)
調査期間:2021年7月19日~7月26日
有効回答数:131サンプル
調査主体:弊社(株式会社 マーケティング・リサーチ・サービス)

調査テーマは「スタイリストの職場に対するロイヤルティ(忠誠度)」です。
スタイリスト経験2年以上の方を対象とした、職場に対するロイヤルティをアンケートしました。

回答者の年齢は以下のとおりです。

30代(53.4%)と40代(42.0%)が多く、両者を合わせると回答者全体の9割を占めています。

勤務経験店舗数について

設問1

現在お勤めの店舗は、何店舗目ですか? アシスタント時代も含めてお知らせください。

半数が2-3店舗目でした。4店舗以上のスタイリストも27%以上いました。

勤務店舗所属年数

設問2

現在お勤めしている店舗での勤続年数はどれくらいですか?

10年以上勤務(20年以上と10年~20年未満の計)が、全体の半数以上の割合占めていました。

職場ロイヤリティ(1)-推奨度-

現在お勤めの店舗について、他のスタイリストやアシスタントにどの程度勧めたいか聞いてみました。

設問3

現在お勤めしている店舗を、他のスタイリストやアシスタントに勧めるとしたら、どれくらい勧めたいと思いますか。
全く勧めたくないを「0」、是非勧めたいを「10」としてお答えください。

職場ロイヤルティを【高】【中】【低】に分類。3区分がほぼ同じ比率になるように分類しました。
「9-10」に回答があった人が【高ロイヤル:37%】、「0-6」に回答があった人が【低ロイヤル:33%】(1及び2の回答者は0)となりました。
日本人の傾向として「10」に回答する割合が低いといわれていますが、スタイリストの方は32%の方が「10」に回答されていたのが印象的でした。

では、職場に対する【高ロイヤル】回答者と【低ロイヤル】回答者でどんな違いがみられるのかもう少し詳しくみていきたいと思います。

職場ロイヤルティ(2)-評価理由-

職場について、勧めたい/勧めたくないと思った理由を自由回答で聞いてみました。

設問4

そのようにお考えになったのはどのような理由からでしょうか。具体的に教えてください。(自由回答)

※グラフの数値は、自由回答をコード化しまとめた回答人数。

【高ロイヤル】では、待遇面・働きやすい環境・人間関係の良さが主な理由として挙がっていました。
一方【低ロイヤル】は、新規顧客の少なさ(固定客が多い)や店舗拡張による将来性、やる気への阻害要因など、働き甲斐に対する意見がマイナス要因として挙がっていました。

-回答例-

【推奨者】のポジティブ意見
・スタイリストとしての技術指導や、何より、人としての成長が出来る場所。
・確かな技術に加え勤務体制もホワイトなので。
・やる気があればチャンスがたくさんあるので。
・カリキュラムも基本もしっかりしているので一人前になるためにはとてもよいと思う。
・福利厚生の充実。
・休日が月に7日(休日出勤の強制なし)、安心して働ける人間環境(イジメのない)。

【低ロイヤル】のネガティブ意見
・働いているスタッフがキャリアも長く、多く新しい人材を受け入れる雰囲気がない、また教育の
カリキュラムなども整っていない。
・雇用形態はいいが、一店舗の為、将来性はわからない。
・ある程度お客様が付いているスタイリストには良いが、新規のお客様が少ないので顧客を自力で掴めるスタイリストじゃないと厳しいと思う。
・人によって働き方や考え方によるので。
上記以外には、「安定している」「休みやすい」などいい意見も挙がっていました。

店舗についての意見

現在勤めている店舗についての意見を[15項目]あげ、それぞれについて「非常にそう思う」から「全くそう思わない」の5段階で聞いてみました。

設問文

現在勤めしている店舗について、お答えください。 (回答はそれぞれひとつずつ)

<項目>
1) 経営が安定している
2) 福利厚生が充実している
3) ビジョンに共感できる
4) 教育・研修が整っている
5) 給与・報酬が他より良い
6) スタッフの技術力が高い
7) スタッフのカウンセリング力が高い
8) 独自性のある製品・サービスがある
9) 流行の先端をいっている
10) 店舗レイアウトがよい
11) 立地条件がよい
12) HPやSNSが充実している
13) スタッフのエンゲージメントが高い
14) 名前の知れた店である
15) 人間関係が円滑である

全体では、「スタッフの技術力」「カウンセリング力」など技術面の割合が高い傾向でした。また、「人間関係の円滑」の割合も高かったです。
一方、思わない(そう思わない+全くそう思わない計)では、「名が知れた店」が最も高く、HPやSNSが充実していると思っていない店舗が、全体の約25%ありました。

では、【高ロイヤル】と【低ロイヤル】ではどんな違いがみられるでしょうか。

【高ロイヤル】では、スタッフの技術・カウンセリング力、人間関係の円満さ、店舗レイアウト、ビジョンへの共感について、80%以上の評価が得られていました。
一方、【低ロイヤル】では、給与・報酬面、福利厚生など待遇面での評価が低いです。また、経営の安定性も【高ロイヤル】に比べ評価が低いようです。

まとめ

本記事では、当社マーケティング・リサーチ・サービスが提携しているスタイリスト(美容師)に対して実施した、アンケート調査結果を紹介しました。

現場のスタイリスト(美容師)の職場へのロイヤルティは比較的高いように感じました。
店舗拡張が少ない店舗や地域密着型店舗は、店舗の独自性があり、安定した固定客がいるというメリットの反面、これから新しいものを吸収していきたい人や、バリバリ働きたい人へのお勧めは躊躇されるようでした。全体として、お客様へ満足いただくための技術力の重要さはもちろんですが、働き甲斐・働きやすさ(条件面)が重視されていました。職場に対して、職種は異なりますが一般サラリーマンと同じような考えをスタイリスト(美容師)の方も感じていたのだと思うと親近感がわきました。

当社は、スタイリスト(美容師)のパネルを抱えており、現場の実態や流行などさまざまなテーマを調査することが可能です。スタイリスト(美容師)に対して調査を実施したい場合は、ぜひ当社までご相談ください。

(digmar編集部)