サンプリングリサーチの特徴やメリットとは?主な手法や成功ポイント

サンプリングリサーチとは、試供を意味するサンプリングと、調査を組み合わせた市場調査(マーケティングリサーチ)の手法のことです。調査対象者に商品を使ってもらうことでプロモーション効果が期待できるのに加え、実際に使ったからこそ得られる生の意見を収集できるため、商品開発やプロモーションなどマーケティングのさまざまな場面で役立ちます。本記事ではサンプリングリサーチの特徴やメリット、手法や成功ポイントを紹介します。

サンプリングリサーチとは

サンプリングリサーチとは、どのような調査手法を指すのでしょうか。ここでは、まずサンプリングの意味、特徴、適した商材を解説します。

サンプリングの意味

サンプリングとは、試供品(サンプル)を顧客に無料または試供価格で配布、あるいは対象商品を店頭にて購入してもらい、実際に利用してもらうことを指します。実際に商品を手に取り利用してもらうことで、その商品の魅力を知ってもらい、将来的な購買につなげることを目指す「セールスプロモーション」の一環として用いられることが多いです。

サンプリングリサーチの特徴

サンプリングリサーチとは、調査対象者に商品を試してもらい、その結果を調査する手法です。サンプリングを行った調査対象者(モニター)に対して、商品の使い心地や他ブランドとの違い、印象といった点について、アンケートなどによってリサーチします。
つまり、プロモーション施策とリサーチを組み合わせた手法です。

対象となる商材は、食品、飲料品、サプリメント、化粧品、日用品といった一般消費財です。家電や家具などのような耐久品はサンプリングとして商品を渡すことが難しいため、謝礼として割引することで店頭購入してもらうなどの方法で実施できるかが、実施ハードルが高いため、実施に適していると言い難いです。

サンプリングリサーチのメリット

サンプリングリサーチは前述したようにプロモーションとリサーチを組み合わせた手法ですがここでは、主なメリット3つを説明します。

プロモーション効果の期待

調査対象者には実際に商品を利用してもらうので、魅力を感じてもらうことができプロモーション効果が期待できます。具体的には、そもそも存在が知られていなかった商品の認知化につながる効果や、未体験の商品であれば商品の良さを体験することで顧客化するケース、新商品であれば早く商品の良さに気づき、早期に顧客化するケースなどもあります。また、調査対象者が商品の魅力をクチコミやSNSで発信してくれることで、他の消費者の認知を促す効果も期待できます。

実体験に基づいた調査結果

サンプリングリサーチでは実体験に基づいた調査結果を得ることができます。実際に使った人でなければ分からない意見・感想が得られることは大きなメリットです。適切な質と量のサンプリングデータがあれば、新商品開発や既存商品の改良などにも役立てることができます。例えば、その商品の使用前後でアンケートをとって、期待と実体験のギャップを 把握し改良に繋げることもできます。

ターゲットを柔軟に設定

サンプリングリサーチでは、あらかじめ対象者を柔軟に絞り込むことも可能です。自社のメインユーザー層の声を集めたい場合、購入経験のある消費者に対してリサーチを実施すれば目的のデータを集めることができます。また、競合他社の商品の利用者も対象とすると、競合商品との比較が可能です。

通常、市場調査を行う場合、そのテーマに対して関心が薄い人物よりも、商品・サービスに関心が強く、知識も備わっている人物を調査した方が、より深く有益なデータが得られるものです。サンプリングリサーチでは、調査テーマに応じてあらかじめ調査対象者を絞り込むことができるため、より役立つ調査結果を得ることができます。

サンプリングリサーチを実施する3種類の手法

サンプリングリサーチを実施する手法は、さまざまな種類があります。ここでは主要な手法として、ホームユーステストと、実購買の活用、ID-POSとの併用といった3つの手法を解説します。

ホームユーステスト(HUT)を活用する方法

ホームユーステスト(HUT/Home Use Test)とは、調査対象者の自宅で商品を使ってもらい、後日アンケートやインタビューで感想・意見を回答してもらう手法です。生活の中で実際に使ってみたリアルな感想を集められるといったメリットがあります。

実購買を活用する方法

実購買を活用する方法は、商品サンプルを直接渡したり自宅に送付したりするのではなく、調査対象者に店頭やインターネット通販などで実際に商品を購入してもらう方法です。

店頭で購入してもらう場合は、調査対象者に対象商品を店頭で購買して利用してもらい、その後、リサーチを行います。その商品を購入したかどうかの証明はレシートの写真をWEB経由で送付することが多いです。またインターネット通販の場合は、ECサイトなどのWEBを通して商品を購入してもらう方法で、購入の情報データ(会員ID、注文番号、メールアドレスなど)が取得できる為、店頭購買よりも手軽に購買証明が取得できます。
また、企業側のメリットにはサンプル品を送付する費用や手間を抑えられるというメリットもあります。
実購買での調査に参加する者は、もともと商品・サービスに高い興味関心や多くの知識を持っている傾向があり、有用な調査結果を期待できます。また、店頭で購買してもらうことで、実購買時の商品の視認性や目立ちやすさなどもあわせてリサーチすることもできます。

ID-POSとの併用

POSデータと個人データを組み合わせて調査・分析するID-POSリサーチを併用する手法もあります。POSデータとは、店舗のレジで商品が販売されたときに記録される「いつ、どこで、何を、何点、何円で販売したか」という販売データです。それにID、つまり「誰が」という個人のデータが組み合わされたデータがID-POSです。そして、それを用いてリサーチすることで、サンプリングによる効果を正確かつ詳細に分析することができます。

例えば、キャンペーン施策などを通して店頭購買などのサンプリングを行い、その後にその人物がリピート購入したかどうかを、ID-POSデータによって調査します。この手法であれば、調査対象者がサンプリングで商品を試した後に、実購買に結びついたかを検証できます。また、POS分析を行うことで、自社への乗り換え(ブランドスイッチ)したか、購買頻度が向上したか等も検証できます。

サンプリングリサーチの実施で成功するポイント

サンプリングリサーチの実施で成功するポイントとして、コストと効率性を重視することが不可欠です。

サンプリングの手法によっては、商品・サービスを用意する費用や、配送費用がかかる他、品物を回収する必要がある場合はそのコストがかかります。例えば、ターゲットが利用する可能性の高い店舗や施設などでサンプルを配布するルートサンプリングでは、1つ当たりのサンプルを手渡しする手数料として1つにつき数十円、時には数百円かかります。また、イベントを開催するイベントサンプリングの場合、会場費や人件費、企画制作費や機材費としてそれぞれ数十万円から100万円を超えることもあります。このように、手法によってはコストが膨らむことがあるため、サンプリングリサーチを実施する際は、特に注意が必要となるのです。

また、サンプリングリサーチを実施する際は、目的(課題)に合わせてターゲットを明確化することが重要です。それを考慮せずに実施すると、検証結果も意味も成さず、単なるサンプリングで良かったということになってしまいます。なぜリサーチを併用してサンプリングを行うか、何を検証したいのかを考えてターゲットを選定することが重要となります。

まとめ

本記事ではサンプリングリサーチの特徴やメリット、手法や成功ポイントを紹介しました。サンプリングリサーチを活用することで、より高いプロモーション効果が期待できるほか、顧客の生の声を聞くことで新商品開発や既存商品の改良などに役立てることもできます。どの市場調査にも該当しますが、取り組む際は事前に企画を練っておくことが良い調査結果を得ることにつながります。実施の検討する際は、ぜひ弊社にご相談ください。

(digmar編集部)