スタイリスト(美容師)のライフスタイル アンケート
スタイリスト(美容師)の”今”を知る
ーコロナ対策やAI時代の強みー
弊社が保有しているスタイリスト(美容師)モニター(名称『いつでも美容師』)に対して、コロナ禍における感染症対策やヘアスタイルについて意識しているポイント、さらにAI(人工知能)時代でスタイリスト(美容師)が誇れることなどのアンケート調査を実施しました。現場で働くプロだからこそ答えられる現状や、スタイリスト(美容師)の強みについての率直な意見も得られました。
アンケート調査の概要
調査テーマは「スタイリストの”今”を知る」というもので、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、美容サロンでの感染症対策や、マスク着用が当たり前の状況でヘアスタイルについて気を付けているポイント、さらにはAI(人工知能)が台頭する時代のスタイリスト(美容師)の強みなどについてアンケートを実施しました。
調査テーマ:『スタイリストの”今”を知る』
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:弊社保有モニター『いつでも美容師』の登録者
対象者条件:スタイリスト(美容師)経験2年以上の男女(全国)
調査期間:2020年11月25日~12月4日
有効回答数:105サンプル
属性は以下のとおりです。
30代(52.4%)と40代(41.9%)が多く、両者を合わせると回答者全体のを9割以上占めてます。
来店時・施術中のコロナ対策について
美容サロンへの来店時や施術中に気を付けているコロナ対策について質問しました。
設問文
現在もコロナウイルスの話題が尽きませんが、お店(サロン内)で気を付けているコロナ対策はありますか?(複数回答)
「マスクの着用」は全員が実施し、「お客様も触れる箇所の消毒」も95%以上と高い傾向であり、マスク着用や消毒は当たり前のことになっていると考えられます。
従来、顧客とのコミュニケーションを大事にしている店舗も多いと思いますが、「人との距離をとる」が6割以上占め、感染症リスクを下げるために会話を減らしていることがわかります。また、「ドリンクサービスの提供中止」や「雑誌を出さない」(自由回答にて)との回答もあり、従来のサービス提供ができず、コロナの影響が出ていることが垣間見えます。
ヘアスタイルについて気を付けたり、アドバイスしていることは?
マスク着用が当たり前になった中、ヘアスタイルについて気を付けている点や、お客様にアドバイスしていることについて質問しました。
設問文
あなたはマスクを常時着用をしているお客様のヘアスタイルについて、どんなことを気を付けたり、アドバイスされていますか? (自由回答)
※グラフの数値は、自由回答をコード化しまとめたものです。
「前髪の重さ(印象) / 前髪の長さ / 幅の広さ / バランス」(33.3%)のようにマスクを着用していると注目が行きがちな前髪や目元を意識して髪型を仕上げている傾向にあります。 またマスクを着けていると顔が見える範囲が狭い分、「全体のバランス(長さ / 重さなど)」(21.0%)、「顔周りのデザイン / バランス」(18.1%)、「耳周りの毛量調整 / デザイン」(22.9%)などの回答も多く、全体感だけではなく各部位まで意識している人が多いことがわかります。
回答例
・マスクを常時着用していると、ともすれば顔の表情が暗く見える可能性があります。明るく見える様な前髪の長さや軽さをお客様にアドバイスご提案するようにしています。
・表情が明るく見えるような前髪の提案。マスクのヒモで髪がはねないようにする。
・マスクをつけているので、顔が見える範囲が狭いので、前髪や、顔周りのデザインなどに気をつけるよう心がけています。 ・顔まわりが暗く見えるので、前髪の長さを短めにする。 また、髪の毛も重たくない髪型を提供しています
・目にインパクトが集中するので目がキレイに見えるような前髪の提案
AI時代にスタイリスト(美容師)が誇れるポイントとは
AIが発達し一部の業種では人の仕事に取って代わるという予測もある中で、美容師・スタイリストが誇れるものについて質問しました。
設問文
世の中、急速にデジタル化が進んでおります。 AI(人工知能)の世界で、「スタイリスト(人間)がこれだけはと誇れる」というものはありますか?(自由回答)
※グラフの数値は、自由回答をコード化しまとめたものです。
「寄り添う感覚 / 細かな要望・雰囲気・変化に気づき応える」(24.8%)の意見が最も多い傾向でした。やはり、人ならではの感覚や配慮による調整力や対応力はいくらAIでも備えることができないと考えている人が多く、他にも「一人一人に合わせた技術 / 調整ができる」(6.7%)、「髪質(毛量、ダメージなど)、頭の形などに合わせたカット」(6.7%)との回答も見受けられました。
さらに、質的調整は人間にしかできないという意見を持つ人が多かったです。「細部の調整 / こだわり / 質感調整」(12.4%)「カット技術 / 技術力 / 再現性」(10.5%)、「カラー・シャンプー・マッサージの技術」(3.8%)というように、スタイリスト(美容師)の専門技術に自信を感じられる意見もありました。
技術面以外では、「お客様と一緒に考え楽しむこと」や「施術を通して癒すこと」も価値だという声があり、美容師・スタイリストが誇れるポイントとして「人間力 / 感情」(11.4%)、「会話 / コミュニケーション」(10.5%)、「信頼関係 / お客様との良好な関係」(7.6%)を挙げる回答者も目立ちました。スタイリスト(美容師)にとって、技術だけでなくコミュニケーション(癒し)も日頃から大切にしていることがわかります。
回答例
・ヘアスタイルを一緒に考え楽しんでいくという事が伝われば人が行う付加価値になると思う
・髪は規則的な生え方、動きはなく人それぞれ、鍛錬された美容師がそこに合わせたカットができる
・お客様の認識している髪の長さは曖昧で1センチの認識がお客様によってバラバラで、AIによる正確なカットは将来できるかもしれないが、実際に上手い美容師は正確なカットというよりお客様の求める1センチに合わせられることが上手い美容師だ思う
・人間の勘。その時その時の臨機応変な対応や寛容さ、ムード
・ちょっとした、細かい気遣いや、心遣いはやっぱりいくらAIでも人には敵わないと思っています
まとめ
本記事では、当社マーケティング・リサーチ・サービスのパネル『いつでも美容師』に対して実施したアンケート調査結果を紹介しました。本調査によって、現場のスタイリスト(美容師)はコロナ対策としてマスク着用や消毒をはじめ各店舗でさまざまな工夫をしていることや、マスク着用が常識となる中で明るい印象や全体のバランスを意識して施術をしていることがわかり、コロナ禍の中で対策しながら気配りをしながら行っていることが伺えました。また、AI時代でも人間の技術力・対応力や人間的な接客には自信を持っている人が多いという現状が明らかになりました。
当社は、スタイリスト(美容師)のパネルを抱えており、現場の実態や流行などさまざまなテーマを調査することが可能です。スタイリスト(美容師)に対して調査を実施したい場合は、ぜひ当社までご相談ください。
(digmar 編集部)