「アラサー女子のずぼら道」~お皿を使わない食事編~

社内の打合せで上司が「昨年発売されたヒット商品」の話を始めた時のことです。

先輩

レトルトカレーは40代男性が主な購入層で、20~30代女性が「空白地帯」なんだって。この商品はね、そんな空白地帯の女性にうけているのだけど、カレーだけがカップに入っていて、そのままレンジで温められるようになっているの。しかも低カロリー。夜遅く帰宅する女子の、カレーのルーだけちょっとだけ食べたい、というニーズを満たしたらしいよ。

あー、あります、あります。私は前から温めたレトルトパックに直接スプーン突っ込んで、カレーだけ食べてます。

先輩

えっ、そんな食べ方しているの・・・?(絶句)        

そこからは、「ご飯いらないの?」「容器に開けないの?」「どうしてカレーなの?」と質問攻めに遭いました。

私は家族と同居していますが、帰宅時間が遅く、母が用意したご飯が食べられないときがあります。疲れて帰って、メイク落としもふき取りタイプでサッと済ませて、とにかく早くお風呂に入って寝たい!髪を乾かすのもつらい!そんなときは一人でこっそりずぼらな食べ方をしています。

ミートソースやカレーのレトルトは中身を飛ばさないようにキレイにとり出すのに気を使いますよね。食べた後のお皿も食器を洗ったスポンジもベタベタになる。それが、パウチから直接スプーンですくうとキレイに残さず食べられて、最後は袋を捨てればOKなので非常に無駄がない。行儀が悪いと分かっていても、“楽“には勝てずにやってしまいます。

先輩

…絶対、他にも変な食べ方してるものがあるでしょう?        

え、変ですか?パスタもお皿を使わなくても食べられますよ。

先輩

どういうこと!?        

某“箱がない”袋に入ったタイプのパスタソースご存知ですか?そのまま電子レンジで約1分チンするだけで、ゆでたてのパスタにかけて混ぜて食べられるという、手軽さが売りの商品です。あれもお皿を使わずに食べてます。

先輩

ちょっとわけがわからないから、ちゃんと教えて!       

…ということで、私がお皿を使わない食べ方をするようになった経緯を再現してみました。

まずはいつものように麺を茹でます。

この商品を試してみることにした初回。鍋にお湯を沸かし、パスタを茹で、お皿を準備し、茹で上がる1分前。チンしたパスタソースの袋を切った瞬間あることに気が付きました。この商品、袋自体がしっかり自立するのです。

あ、袋が立つ!
…ということは?

これは、もしやゆでたパスタを直接袋に入れられる…?お皿使わなくて済む?と思い、
おそるおそる試してみることにしました。

パスタを入れても自立しています!!

うまくパスタが入りました。そのまま袋から食べるので、食べ終わったら袋を捨てるだけです。袋から食べてもしっかり美味しい♪
※メーカーは“ゆでたてのパスタにかけて混ぜてお召し上がりください”としています。良い子はマネをしないでください。

熱くて持てないので、まな板に載せて食べてます。
(お見苦しい姿ですみません)

…という具合で、衝撃的なズボラ飯を知ってしまいました。私の他にもこうやっている人いるんじゃないでしょうか。このタイプのレトルト商品は、もう少し袋に安定感を出すと、そのまま食べる人も増えるような気がします。キャンプ飯や非常食にもいいし。

先輩

ありえないと思ったけど、そういう時代なのね。とすると、そのうち、百円ショップから出てくるんじゃない?お皿なしで、レトルトパウチを固定して食べるためのスタンディンググッズ。茹で水の要らないチンするだけの麵とかも開発されそう。     

それ!!どちらもめちゃくちゃ欲しいです!商品化してほしい。

先輩

あなたのような人の実態を真面目に分析していたら、もっと早くカップのカレーや袋から直接食べられる商品が出たかもね  

<先輩からの解説>

彼女の話には、新商品開発などに関わる人が留意すべき示唆を含んでいると思いました。
*「どんな商品作ってほしい?」とストレートに聞くだけでは、今回のような商品は発想できない。
*「変わった食べ方してない?」と聞いても、みんなそうだと思っているから言わないため、実態が捉えられない。

新製品開発には、今回のように何か(例えば容器包材)を変えることによってユーザーの特定ニーズを満たせる領域がまだまだたくさんあります。そこにいち早く気づき、小さなイノベーションを起こすためには、彼女のように「変だと思わずそうしている」消費者の実像に、いかに早く迫れるかが鍵となるのです。

(digmar編集部)