リサーチャーがおすすめする本10選(マーケティング編)

ビジネスマンにとって、マーケティングという言葉は使わなくても、商品やサービスに広く関わっており、本などから知識を得る人も多いかと思います。そこで今回は、弊社のリサーチャーがマーケティングを学ぶのなら、ぜひおすすめするという本を厳選しました。ぜひチェックしてみてください。

FACTFULNESS(ファクトフルネス)

こちらは現在世界で100万部以上売れているベストセラーなので、読んだことがある方も多いのではないでしょうか。本書は、物事を客観的なデータ(ファクト)に基づいて見ることの重要性を教えてくれる本になります。
人間には、物事をドラマチックかつ悲劇的に捉えてしまう傾向(=本能)があり、その本能がデータで表されている事実とは違った想像をさせてしまうと著者は語っています。本書ではその本能を10個取り上げており、いかに我々が普段から思い込みで世の中を見ているかを思い知らせてくれます。

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

USJが映画コンテンツに特化したテーマパークだったことを覚えている人は少ないのではないでしょうか。ニンテンドー・エリアのオープンを控え、コンテンツがますます充実してきているUSJですが、この本を読むと、全てマーケティングの理論に基づいての戦略であることが分かります(この本で触れられているのは、ハリーポッターエリアのオープンまで)。「消費者視点」「消費者理解」を中心に据え、「セグメンテーション」「ターゲティング」「4P」「5C(3C)分析」「資源集中」を戦略的に進めていく様子が実例に沿って解説されており、マーケティングの概念に臨場感を持って触れることができる良書です。

ジョブ理論

顧客は製品を買っているのではなく、「片づけなくてはならないジョブ=課題」があり、それを解決するために製品やサービスを雇用している。その片付けなくてはならないジョブが何なのかを明らかにすることが、イノベーションに繋がると述べられています。考え方は、後ほどご紹介する『ドリルを売るには穴を売れ』の話(消費者が解決しようとしている課題の本質)と似ていると思います。
「ジョブ」には、物理的なものだけでなく、感情的なものも含まれています。何を解決したいのか、どういった気分になりたいのかといった視点で、直接競合以外に目を向けることは、製品やサービスを解決するうえでの視点を与えてくれると思います。

確率思考の戦略論

本書は、業績不振に陥っていたUSJの経営をV字回復させた森岡毅さんの著書です。(2つ前にご紹介した『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』と同じ著者)
商品やブランドを取り巻く市場の構造を、森岡さんが実際にUSJの立て直し戦略を立てる上で使用した「NBDモデル」という数式を使い解説しています。
ビジネスの成功確率を高めるために、どのように数学を取り入れればいいかを学ぶことができる良書と思います。

グロービス MBAマーケティング

マーケティングの教科書的な本だと感じました。ビジネスマンの多くは、自社の商品やサービス分析をすることなど出てくるかと思います。また、会社からSWOT分析をしなさいなどの命題が与えられた場合には、ぜひこの本を参考にして頂ければと思います。SWOT分析やセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP分析)などが簡潔にまとまっているので参考書的な役割を果たすと思います。
新入社員の方には、業種関係なく、とにかく読んでほしいと思う本です。今までマーティングに携わることがあまりなかったり、これから学びたいと考えている人には、この本をおすすめします。

ここからは少し古い本のご紹介になりますが、今でもよく売られている本も含まれてます。ぜひともご一読ください。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

言わずと知れた「もしドラ」です。NHKでアニメ化され放送されたので、内容を知らなくとも名前だけは聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。(私の知人は、マーケティングよりも、話の内容の方ばかり気になり涙を流しながら読んだと言っていました。)
『マネジメント』は、言葉を意識していなくてもいろいろな場面で使われているということを、高校野球部のマネージャーを例にしたという内容です。これを読むと、日々マネジメントという言葉を使わないけど、考えていること、行動していることが「これがマネジメントなんだなぁ」と感じるようになると思います。
この本を読んだ後に、元来の「マネジメント」(ドラッカー著書)を読むとより理解が深まると思います。

真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか

この本は1990年発刊でかなり古い本ですが、現在でもサービス業の研修などにも使われている本で、特に顧客サービスに携わる方には読んで頂きたいと思います。
内容に、時代を感じてしまうことは否めないですが、サービスに対する基本的な考え方が学ぶことができます。特に最初の15秒が重要ということが印象に残っており、これは営業でも同じことが言えると感じました。
また、管理職の方には裁量権を与えることの大切さも考えさせられる内容となっているので、参考になると思います。
ちなみに、これを読んだら一度はSAS乗ってみたいと感じると思います。私もそう思い、他航空会社よりも高かったのですが、SASを選択ことがあります。

ブルーオーシャン戦略

ビジネスマンなら誰しもが聞いたことがあるかと思いますし、多くの方が読まれていると思いますが、改めて挙げさせて頂きました。
従来の市場の中(既存客層)で新規客を狙うのではなく、新規客層を狙うために市場を広げる(ブルーオーシャン)という考え方は言葉にしなくとも、既に浸透されているかもしれませんね。今となってはそれくらい浸透した戦略ではありますが、自分のビジネスに置き換え、何か戦略を企てる際に、改めて読んでみると良いかと思います。
現在では知っていて当たり前の考え方となっていますので、まだ読んだことが無い方は、これを機にぜひとも読んでください。

ドリルを売るには穴を売れ

マーケティング業界に携わっている人なら、多くの人が知っている本です。商品だけを見てはダメですよ。相手の立場になって、期待する価値(ベネフィット)を考えなければならないというマーケティング脳を持つことが大事という内容の本です。(本書では、ドリル自体ではなくドリルが開ける「穴」に価値があるのだ。この「穴」がベネフィットということになると書いています。)
また、「ベネフィット」「セグメンテーション」「差別化」「4P」の基本的なマーティングの理論がわかりやすく書かれているので、マーケティングに関わる方には読んで頂きたいと思います。

インサイト実践トレーニング

「インサイト」とは、”消費者がモノを思わず買いたくなってしまう心のスイッチ”です。従来のマーケティングの考え方である数量的な部分を見るだけでは不十分で、人にフォーカス(心理的なこと)をしなければならないことを書いていると感じました。
ワークショップの進め方も書いてありますが、第一部の「インサイト実践ツール」だけでも読むだけでも勉強になるかと思います。ヒット商品を生み出す人は直感でひらめくと言っている人がいますが、それは無意識でインサイトを読み取っているようです。この本には、誰でも感じることができるためのその習得のやり方(ツール)が書いてあります。

(digmar編集部)