メニューセンサスコラム「スマートキッチン」の未来と平均調理時間の実態
「今日はごちそう!」、「週末だから手の込んだ料理にしよう」というと、 手間をおしまず、時間をかけて・・・というイメージです。
しかし、これからは時間をかけずに料理を楽しむ時代がやってきそうです。
すでにキッチンには「IHクッキングヒーター」や「ピピッとコンロ」の導入が進み、どちらもタイマーや温度センサーがあり、調理を任せたまま安全に他の作業ができる環境になりつつあります。電気調理鍋もヒット商品の定番となりました(シャープヘルシオ「ホットックック」、ティファールの「クックフォーミー エクスプレス」など)。
タブレットと連携し動画レシピに沿って調理を進められるスマートクッキングシステムはすでに開発が進められ、「メニューを考えてくれる冷蔵庫」「プロと同じように作れる調理機器」など、テクノロジーによってもっともっとキッチンの未来は変わりそうです。
2018年8月には、「食&料理×テクノロジー」をテーマにキッチンの未来を描く「スマートキッチンサミットジャパン2018」が日本でも開催されました。
ただただ調理時間を短くする、おいしい料理をラクに作る、ということではなく、新しい料理にチャレンジしたくなるワクワクする環境創り、料理のスキルや経験がなくても調理できるよう支援してくれる製品の開発が着々と進んでいるようです。実際、主婦対象のインタビューをしていると、時短で求めているのは単に“時間短縮”だけではなくて、“時間をかけていないのに、時間や手間をたっぷりかけたような見栄えや味”なのだ、ということに気づかされます。
では、実際に家庭の調理時間はどのようになっているのでしょうか。
朝食・夕食ともに意識レベルでの平均調理時間は短縮の傾向にあります。
40年近くで、朝食で約10分、夕食で約13分短縮していました。
スマート調理機器の導入がされる以前から調理時間を短くするライフスタイルはどんどん普及していることがわかります。
また、有職主婦と無職主婦を比較すると、有職主婦の調理時間は専業主婦より若干短いものの、平均時間の差は朝食で1分、夕食で3分というデータも出ており、時短は有職主婦だけのニーズではないことも読み取れます。
ここにスマートキッチンシステムが導入されれば、ただ時短を意識するだけでなく、新しい料理にチャレンジしたくなるかもしれません。また、短時間で調理を済ませたぶん、食卓やリビングで家族とのコミュニケーション時間を長くすることもできるでしょう。
弊社の1978年から続く家庭の食卓メニュー調査『MRSメニューセンサス』では、食卓事情を家族構成や主婦の有職・無職、世帯年収別などから分析が可能です。スマート調理機器の開発に欠かせない、日本の食卓の「メニュー」と「調理実態」を、約40年間にわたって把握することが可能です。
例えば、調理時間が長い時と短い時とではメニュー傾向がどう違うのか、また、同じメニューでも使用材料がどう違うのか、といった分析が可能です。
そしてそこからさらに、“調理のどの部分を時短したいのだろう?”、“時短ツールに頼るのは、単に時間がないからなのか、スキル不足だからなのか?”などの視点で深掘りしていくことで、ソリューション提案につながっていきます。
ぜひキッチンの未来を描くお手伝いをさせてください。