「トーストにはバター(マーガリン)」は定番ではなくなる!?~トーストの食べ方をきっかけに、朝食ニーズを考察する~

トーストメニューセンサス

食パンといえば「トースト」、「トースト」といえば「バター」や「マーガリン」、というのが昔からの定番イメージだと思います。

実際に『MRSメニューセンサス』においても、81-82年はトーストに「バターかマーガリン」を塗るケースが9割以上を占めていました。

しかし、その割合は徐々に低下し、直近の2015-16年データをみると、67%にまで下がっています。
実に3割以上が、「バターもマーガリンも塗らないトースト」になっているのです。とくに注目したいのは、「バター」は一時期品薄や価格の高騰もありましたが直近では持ち直しているのに対し、「マーガリン」は長期的に見ると右肩下がりです。
「トランス脂肪酸」など健康情報が一因かもしれません。

しかしそれ以外に、「バター、マーガリン以外のもの」として、「チーズ」や「マヨネーズ」の台頭が挙げられます。

インターネット上では、「悪魔のトースト」なるレシピも話題になるなど、従来のシンプルな「トースト」ではないものが増えていることが一因と考えられます。

バターマーガリン使用率

さてここから、「トースト」の食べ方をきっかけに、「朝食全体」について考えてみます。

「トースト」の摂食シーンを時間帯別でみると、「朝食」が約9割を占めています。朝食の主食が「パン派かごはん派か」というアンケート結果は巷にあふれていますが、『MRSメニューセンサス』では2000年調査時からパン派がごはん派を上回っていました(最近では「オートミール」の割合も増えています)。

ただ、パン派の場合ごはん派よりもおかずの品数が少なく、代わりにヨーグルトや野菜ジュースの出現回数が多いことから、パン食の栄養の偏りのつじつま合わせをしていることが確認できます。

朝ごはんの欠食や簡略化の流れを止めることは難しそうですが、前述のトーストアレンジは、“ちゃんとしたおかずは作れなくても、少しでも充実した朝食にしたい”、あるいは“朝食の飽きを回避したい”という朝食ニーズの表れのひとつといえそうです。

『MRSメニューセンサス』では、朝食実態の詳細な把握を入り口にした「朝食マーケティング」のお手伝いをいたします。