中華まんのリニューアルがもたらしたマーケティングの考察

中華まん

今年は暖冬と言われていたものの、3月に入っても冬を感じるような寒い日もありますね。そのような寒さとはそろそろお別れになりますが、”冬ならでは”の食べ物はたくさんあります。

今回はその中でも、中華まんに焦点を当ててみたいと思います。単に季節商品だから取り上げたということではなく、中華まんを題材に、マーケティングを改めて考えさせられる場面が生じました。今回はそれをご紹介させていただければと思います。

-ケース-

「以前、家で中華まんを食べようとし、電子レンジで調理していましたが、うまくいかず苦労しました。結果的に、コンビニやスーパーで調理済みの商品を購入する以外は中華まんを買わなくなり、家での調理はほとんどなくなっていました。

ところが、今冬たまたまスーパーにて電子レンジで調理できる中華まんに目が止まり、よく見みると個包装で空気弁があるので、これはおいしくできそうと思い、久しぶりに購入してみました。
そして実際、とてもおいしく頂くことができ、今後も継続して購入していくことになると思います。

今回この商品の改良により、一度離れた顧客(離反)を再び引き寄せる機会となったわけですが、この商品の発売時期を調べたところ、新商品ではなく数年前から発売されて商品であることがわかりました。私自身が改良されたことに全く気付いていなかったのです。

このように、消費者ニーズを捉え、製品を改良しても消費者に届かなければ意味のないものになってしまいます。どのようにして消費者にアピールするか、どのようなプロモーションやパッケージ、広告表現を行うか、従来のやり方で良いのか等、調査・検討することが必要と改めて感じました。マーケティングに携わる方々が新商品発売時やリニューアル時に、この事象を思い出し、消費者に十分に浸透できることを願うばかりです。

これに合わせ、中華まんを食べる時に失敗したことがある人が多いのではないかと思い、実態を調査しました。

【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:20~59歳の男女(インターネットモニター)
調査期間:2024年3月1日~3月4日
有効回収数:405名
調査主体:弊社(株式会社マーケティング・リサーチ・サービス)

中華まんを食した割合は約4割

設問1

あなたは最近半年間に、ご自宅で温めるタイプの「中華まん」(肉まん、あんまんなど)を食べましたか。直近、半年間に食べた中華まんについて、以下の中からすべてお答えください。(複数回答)

半年間で食べた割合

直近半年間において、家で調理して中華まんを食べたことがある人は44%でした。
また、購入した種類は以下のとおりです。

食べた種類

8割以上が電子レンジを利用

設問2

あなたは中華まんを温める際に、どのような方法で温めていますか。最もよく調理する方法をお答えください。(単一回答)

調理方法

中華まんの調理方法は8割以上が電子レンジをメインで利用しているとの回答でした。

電子レンジで調理を失敗したことがある人は8割以上

設問3

電子レンジで中華まんを温めた際に、中華まんの生地が固くなるなど、上手にできなかった経験はありますか(単一回答)

電子レンジ調理失敗経験

中華まんを電子レンジで調理した際に失敗したことがある人(「よくある」+「時々ある」の合計)は8割以上いました。

まとめ

中華まんの調理失敗の実態を調査しましたが、電子レンジで利用した人の約8割以上が失敗したということがわかりました。電子レンジでの調理の難しさが浮き彫りになりましたが、先に述べた商品がもっと知れ渡っていれば、この数値は下がるのではないかと思われます。

今回は中華まんの事例を取り上げましたが、同様な例が多くあるのではないかと思います。本記事の読者にはマーケティング関連に携わっている方が多いかと思いますので、これを機に、自社の商品について見直してみてはいかがでしょうか。

(digmar編集部)