テーマパーク嫌いのお父さん・彼氏の重い腰を上げさせるためのサービス案とは?|テーマパークに付き添っていく人についてのアンケート
皆さんは遊園地などのテーマパークはお好きでしょうか。
私は年間10回近くテーマパークに行くほど好きなのですが、中には子連れのお父さんや、彼女の付き添いで来た彼氏さんなど、「正直テーマパークが好きではないのに、付き添いで行かざるを得ない」という人もいるかと思います。そういう人たちの不満やストレスを多少なりとも解消し「行ってもいいな」と思わせるために、テーマパーク側はどのような施策を打つべきなのでしょうか。
「テーマパークに家族やパートナーの付き添いで嫌々行っている20~40代の男性」441名にアンケートを実施し、分析してみました。
目次
行きたくないのに付き添って行くのは「一緒に行く人への気遣い」
「行きたくない」と思いながらもテーマパークに付き添って行くのには「配偶者・恋人・パートナーを喜ばせたいから」「子供を喜ばせたいから」といったポジティブな気持ちだけでなく、「毎回断ると可哀想なので」「断ると家族・パートナーの機嫌を損ねるから」といったネガティブな気持ちが影響しているようです。
いずれにしても、付き添って行く理由はあくまでお子さんやパートナーなど「一緒に行く人への気遣い」であることがわかります。
テーマパークに対する不満点は「料金の高さ」や「疲れること」
付き添いでテーマパークに行く人の不満としては「入場料・アトラクション料金が高い」、に次いで「疲れる」、「テーマパーク(遊園地)内が混んでいる」が多く挙げられました。
テーマパークの不満に「疲れる」が二番目に挙げられたのは、テーマパーク好きの私にはかなりの驚きです。人のために嫌々行くから、余計に疲れるのでしょうか。
「付き添いでテーマパークに行く人向けのサービス案」に関する彼らの反応を見てみましょう。
付き添いでテーマパークに行く人の最優先事項は「自分の手間や疲れを回避すること」
提示アイデアの魅力について質問したところ、TopBoxで最も多くから支持されたのは「定型ツアー」で、それに次いだのが「ファストパス」と「一人で休めるラウンジスペース」でした。園内を一緒に回ることなく、自分はラウンジで過ごしたいという人も少なくないようです。
テーマパークを楽しめる人は、待つ時間やどう回るか考えることなども楽しいのに、苦手な人にとってそれらは、金額に加えて大いなる「コスト」であることがわかります。これら「コストや疲れの軽減」の項目でTop2Boxまでで「魅力的」と答えた人は、半数を超えています。
一方で、園内での役割ができたら、行くのが楽しくなるのでは?と思って提示した「キャスト体験」「撮影機材レンタル」などの案の支持者は相対的に少なく、付き添ってきている人は楽しもうとは思えないこと、また、割引などの金銭的なメリットにも増して、手間や疲れを回避したいことがよくわかりました。
反応の良かった「ファストパス」「定型ツアー」「ラウンジスペース」案の魅力度を、「テーマパークに誘われた時の気持ち」の回答でクロス集計してみました。
すると、3案ともに「誘われた時の気持ち」がネガティブな人ほど、TopBox(魅力的だと思う)の割合が高くなっており、テーマパークに行きたくない気持ちが強い人は、多少お金をかけてでも、とにかく手間や疲れを回避したいことがわかります。Top2Boxまでを見ると、「やや行きたい」と答える人にも、少なからずニーズがあるアイデアだといえそうです。
まとめ
マーケティング施策を考える際、テーマパークって楽しいところだよね、という立場に立つと、付き添いで来た人も含め全ての人が楽しんでくれることを期待してしまいます。
私たちも、付き添いでテーマパークに来ている人にも主体的に楽しんでもらえる施策を提案したいと考えましたが、今回の調査からは、そこには限界があるとわかりました。「行くのに乗り気でない付き添いの人」をいきなり「乗り気」「好き」にするというのは、難しそうで、「付き添い」という存在が多くを占めていることは認めざるを得ません。
また、「付き添いの人用割引」などの費用削減メリットよりも「自分の手間や疲れを回避したい」というニーズが勝っていることを考えると、楽しむことより、手間や疲れの回避のためにコストを支払ってもらうことを考えたほうが良いのでは、とも感じられます。
今後、家族客やカップル客の利用頻度をより増やしていくためには、こうした付き添いの人の存在を認めたうえで、負担軽減策による売り上げ拡大にも目を向ける必要があるのかもしれません。
※本記事では、調査結果の一部をご紹介しています。
調査結果の詳細をご覧になりたい場合は、ぜひ下記のお問い合わせリンクよりご連絡くださいませ。
その他の調査項目
- 性別(SA)
- 年代(SA)
- 職業(SA)
- テーマパークに行く頻度(SA)
- テーマパークに主に一緒に行く人(SA)
- テーマパークに行くことを提案する人(MA)
- 家族やパートナーからテーマパークに誘われた時に、一緒に行く頻度(SA)
- 家族やパートナーからテーマパークに誘われた時の気持ち(SA)
- テーマパークに対する好意度(SA)
- これまでに行ったことのあるテーマパーク(MA)
- 付き添い向けサービス案 家族・パートナーが利用することに賛成すると思うか(各SA)
調査概要
調査手法:インターネットリサーチ
スクリーニング調査 回収数:13279名
本調査 有効回収数:441名
本調査対象者条件:
・20~49歳の男性有職者(パート・アルバイト含む)
・テーマパークに行く頻度が「2~3年に1回」~「1年に2回」
・主に「配偶者・パートナーと2人で」または「家族で」テーマパークに行く
・テーマパークに行くことを提案する人が「配偶者・恋人」または「子供」、かつ「自分」からは提案しない
・テーマパークに誘われた際に「3回に1回くらいの頻度で一緒に行く」
・テーマパークに誘われた際の気持ちが「やや行きたい」~「行きたくない」
調査期間:2023年10月25日~11月6日
調査主体:弊社(株式会社マーケティング・リサーチ・サービス)
*小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
(digmar編集部)