WBCやラグビーワールドカップ観戦者の、その後のスポーツ観戦に対する意欲は?|2023年のスポーツイベント観戦についてのアンケート調査

スポーツ観戦についてのアンケート

2023年はWBCやラグビーワールドカップ、サッカー女子ワールドカップなど様々なスポーツのビッグイベントが開催された年でした。WBC(ワールドベースボールクラシック)では日本が見事優勝、男子バスケットボールワールドカップでは日本がアジア1位となり、パリオリンピックへの出場権を獲得など、日本選手の活躍がニュースになり普段スポーツ観戦をしないという人も注目をしていたことと思います。

ワールドカップやオリンピックのような大きな国際大会はスポーツ観戦好き以外でも観る人が多いと思いますが、そこから国内のスポーツリーグなど、スポーツ観戦そのものに興味を持つようになる人もいるのでしょうか。

そこで今回は20代~60代の男女507名に、今年おこなわれたスポーツ国際大会の観戦実態と、大会を観戦したことでスポーツ観戦への興味がどのように変化したか等についてアンケート調査をおこないました。

【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:20~69歳の男女(インターネットモニター)
調査期間:2023年10月31日~11月2日
有効回収数:507名
調査主体:弊社(株式会社マーケティング・リサーチ・サービス)

性別・年代

好きなスポーツ

好きなスポーツ

好きなスポーツについて質問したところ、約60%が何らかのスポーツについて好きだと回答していました。その中で「野球」が34%で最も高く、次に「サッカー」が25%で高くなっていました。

今年(2023年)におこなわれたスポーツの国際大会 観戦したもの

観戦したスポーツ国際大会

今年(2023年)開催された主なスポーツの国際大会について、試合をテレビなどで観戦したものを回答してもらいました。約60%がいずれかの大会を観戦したと回答していました。その中で「WBC(ワールドベースボールクラシック)」が49%で最も高く、次に「ラグビーワールドカップ」と「世界陸上」が20%で同率に高くなっていました。

次に男女別で結果を見てみました。

観戦したスポーツ国際大会男女別

男女別では全体的に男性の方が観戦した割合が高くなっていました。その中で「フィギュアスケート世界選手権大会」のみ女性の割合がやや高くなっていました。

年代別でも結果を見てみました。

観戦したスポーツ国際大会 年代別

どの年代も「WBC(ワールドベースボールクラシック)」が1位となっていました。また、観戦した割合は年代が上がるにつれて高くなっていました。
「ラグビーワールドカップ」も同様に、上の年代の方が観戦した割合が高い傾向が見られました。

次に、それぞれの大会を観戦した人が、他にどの大会を観戦したのかを、回答結果をクロス集計して確認してみました。

項目間クロス

こちらのクロス集計表は、各大会の観戦者ごとに(表側)、他の大会の観戦率(表頭)を出したものです。観戦率が高くなるほど青く、低くなるほど赤くなるように表示をしています。

こちらの結果を見ると、各大会の観戦者の約80%以上が「WBC」も観戦したと回答していました。

「フィギュアスケート世界選手権大会」を観戦した人は、他の大会を観戦した人が少なくなっていました。

2023年の大会を今回初めて観戦した人の割合

スポーツ国際大会初めて観戦した割合

次にそれぞれの大会について、今回(2023年)初めて観戦したか、前回以前も大会を観戦したことがあったかについて質問しました。

「男子バスケットボールワールドカップ」が、今回初めて観戦した割合が56%で最も高くなっていました。次に「アジア競技大会」が40%で高く、3番目に「サッカー女子ワールドカップ」が25%で高くなっていました。

各大会に対する事前の関心度

事前の関心度

次に、それぞれの大会の観戦者に対して、大会が始まる前にどの程度の関心を持っていたかについて質問しました。

事前の関心度1が最も高かったのは「フィギュアスケート世界選手権大会」で、87%が事前に関心を持っていたと回答していました。次に「WBC」と「ラグビーワールドカップ」がほぼ同率で高くなっていました。一方で、「男子バスケットボールワールドカップ」は事前の関心度が49%で最も低くなっていました。

各大会観戦者のスポーツ今後観戦意向

各大会観戦者のスポーツ今後観戦意向

次に、それぞれの大会観戦者に対して、「今回の大会を観戦したことで、それ以外の大会や試合も含めて、そのスポーツを今後どの程度観戦したいと思ったか」を質問しました。「WBC」観戦者には今後「野球」をどの程度観戦したいか、「ラグビーワールドカップ」観戦者には今後「ラグビー」をどの程度観戦したいか、という形で質問しています。

結果を見ると、今後も観戦したい割合2が最も高かったのは「フィギュアスケート」で、85%が今後も観戦したいと回答していました。

次に、今回初めて観戦した人に絞り込んで、今後の観戦意向を見てみました。「WBC」と「男性バスケットボールワールドカップ」以外は初めて観戦した人が少なかったため、この2項目のみ見ていきます。

WBCを初めて観戦した人の野球今後観戦意向

「WBC」を始めて観戦した人に、今後の野球の観戦意向について質問したところ、38%が今後も観戦したいと回答していました。

男子バスケットボールワールドカップを初めて観戦した人のバスケットボール今後観戦意向

「男子バスケットボールワールドカップ」を始めて観戦した人に、今後のバスケットボールの観戦意向について質問したところ、59%が今後も観戦したいと回答していました。

国内のスポーツリーグ 認知度・観戦経験

国内のスポーツリーグ 認知度・観戦経験

国内の主なスポーツリーグについて、「知っているもの」と「テレビや動画配信サイト、会場などで観戦したことがあるもの」をそれぞれ回答してもらいました。

認知度では「Jリーグ」が68%で最も高くなっており、次に「NPB(プロ野球)」が64%、3番目に「Bリーグ」が35%で高くなっていました。

観戦経験では「NPB(プロ野球)」が47%で最も高く、次に「Jリーグ」が34%で高くなっていました。

まとめ

今回は、WBCなどの今年おこなわれたスポーツの国際大会の観戦実態をアンケートで調査しました。

回答結果を見てみると、それぞれの大会ごとに観戦実態についての特徴が違っていたことが分かりました。

観戦した人が最も多かったのはWBCでした。WBCは大会前の関心度が高かったことから、多くの人が注目していたことが読み取れます。また、WBCを観戦したことによる野球観戦への意向も高くなっていました。大谷翔平選手やラース・ヌートバー選手等、人気選手の活躍や、日本チームが優勝をすることができたこと等が、今後の野球観戦の意向が高い要因になっているのではないかと考えられます。

男子バスケットボールワールドカップについては、今回初めて観戦したという人の割合が高くなっていました。今回の男子バスケットボールワールドカップは、開催地の一つが日本となっており、ラグビーワールドカップとともにテレビ等で告知を多くおこなっていたので、その効果で初めて観戦したという人が多いのかもしれません。
また、大会前の関心度が低くなっていたことから、「当初は興味がなかったけど、オリンピック出場権が近づいたタイミングで、ニュース等で話題になり、そこから観るようになった」というような人も多くいる可能性が考えられます。

フィギュアスケート世界選手権大会については、観戦した人が比較的少なく、初めて観戦した人の割合も低くなっていました。しかし事前の関心度が高く今後のフィギュアスケートの観戦意向も高かったことから、フィギュアスケートの観戦者は、多くが毎回観戦しているようなヘビーなファンで構成されているのではないかと考えられます。

ラグビーワールドカップは、今回初めて観戦した人が少なくなっていましたが、大会前の関心度は高くなっていました。また、今後のラグビー観戦に対する意向も高くなっていたことから、今後も継続して人気を集めていくことができるのではないかと考えられます。

  1. 「最初から、非常に関心を持っていた」「最初から、やや関心を持っていた」の計。以降も同表記。 ↩︎
  2. 「今後も観戦したい」「どちらかというと、今後も観戦したい」の計。以降も同表記。 ↩︎

(digmar編集部)