どこからが「手作り料理」?電子レンジ調理やミールキットは?|料理に関するアンケート

「手作り料理」と聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょうか? 一から食材を切り、味付けをし、時間をかけて丁寧に作る料理を思い浮かべるかもしれません。しかし、スーパーで買った合わせ調味料を使った料理や、電子レンジで温めるだけの時短調理は「手作り」と言えるのでしょうか? 現代の忙しいライフスタイルの中で、調理の手間を省く商品や時短調理法のニーズが高まっている一方で、料理はなるべく手作りしたいという意識も根強いのではないかと思います。
その中で、「どこからが手作り料理なのか」という定義については明確なものはなく、人によって捉え方が異なるため、話題に上がることが多いです。
そこで今回は、20~60代の男女505名に対して、手作り料理だと思うもの思わないものや、手作り料理に含まれる調理工程などについてのアンケートを実施し、「手作り料理」をどのようなものと捉えているのかについて調査しました。
【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:20~69歳の男女(インターネットモニター)
調査期間:2025年3月10日~3月11日
有効回収数:505名
調査主体:弊社(株式会社マーケティング・リサーチ・サービス)
目次
料理の頻度
設問1
あなたは、普段どのくらいの頻度で料理を行っていますか?

料理をする頻度について朝食、昼食、夕食それぞれ聞いてみたところ、料理をする人の割合(「毎日」~「それ以下」の合計)が最も高かったのは夕食で82%でした。2番目に高かったのは、昼食で76%、朝食は66%という結果となりました。
週に5日以上料理をする割合(「毎日」~「週に5~6日」)で見ると夕食で50%、昼食で32%、朝食で38%の人が料理していると回答していました。
夕食を手作りする頻度
設問2
[夕食]あなたは、普段どのくらいの頻度で料理を行っていますか?

夕食を手作りする頻度について年代別に比較したところ、週に1日以上と回答した割合(「毎日」~「週に1~2日」の合計)は、20代で67%、30代で72%、40代で67%、50代で77%、60代で73%でした。
手作りの頻度が高い割合(「毎日」~「週に5~6日」の合計)で比較したところ、最も高かったのは60代で59%という結果となり、年代が上がるのに比例して夕食を手作りする頻度が高い割合も増えていました。
夕食手作り時の調理時間
設問3
あなたが夕食を手作りする際の、だいたいの調理時間をお答えください。

夕食を手作りする際の調理時間について聞いてみたところ、48%が「45分以上かけている」ことがわかりました。
レトルト、冷凍食品などの喫食頻度
設問4
あなたは普段、自宅で食事をする際、以下の食品をどのくらいの頻度で食べていますか。

レトルト食品や冷凍食品、お惣菜などについて普段の喫食頻度を聞いてみたところ、月に1日以上喫食している割合が高かったTOP3は冷凍食品で73%、お惣菜(おかずのみ)で72%、レトルト食品で68%でした。
料理に関する意識
設問5
以下の「料理に関する意識」について、それぞれあなたに当てはまるものをお答えください。

料理に関する意識について、料理をする人を対象に聞いてみたところ、「料理はなるべく手作りしたい」と回答した割合(TOP2)は61%でした。
「料理にかける時間をなるべく短縮したい」については76%が回答していました。
また、「食事に冷凍食品を使用するのは抵抗感がある」については21%、「食事にスーパーなどのお惣菜を使用するのは抵抗感がある」については19%という結果となりました。
手作りだと思う野菜炒め
設問6
以下の、「野菜炒めの作り方」について、あなたが「手作り料理」だと思う作り方をすべてお答えください。(複数回答)

野菜炒めについて、「手作り料理」だと思う作り方を聞いてみたところ、最も高かったのは「野菜をカットし、炒めて調味料で味付けする」で72%でした。「野菜をカットし、炒めて、市販の野菜炒めの素をかける」とは18%差が開いていました。
またそれ以上に差が開いていたのは「市販のカット野菜を炒めて、市販の野菜炒めの素をかける」と「野菜炒めのミールキット(味付け済)を炒める」で21%差が開いていました。
「手作り料理」に含まれる調理工程
設問7
あなたが思う「手作り料理」とは、どのような内容でしょうか。「手作り料理」に含まれる調理工程の内容をすべてお答えください。(複数回答)

「手作り料理」に含まれる調理工程について聞いてみたところ、最も高かったのは「鍋・フライパンで食材を加熱する」で85%、次に「食材を切る」で82%でした。
「手作り料理」だと思うもの
設問8
あなたが「手作り料理」だと思うものをすべてお答えください。(複数回答)
※メニューはあくまで「例」です。選択肢の調理方法について「手作りかどうか」お考えください。

いくつかのメニューと調理方法の事例を挙げ、どれが「手作り料理」に該当すると思うか質問しました。
全体的に、自分で具材を準備し、お鍋やフライパンを使って調理する場合は、「手作り料理」だと思うという割合が高くなっていました。
一方で、電子レンジ調理や、市販のカット野菜、合わせ調味料など、時短ができる商品や調理法を使う場合、「手作り料理」だと思う割合は約20%程度低くなり、レトルト食品やミールキットなど、調理工程がさらに少ないものは、より低くなっていました。
まとめ
料理の頻度については、夕食が最も高頻度となっており、約半数が週に5日以上夕食を作ると回答しており、年代が上がるにつれて夕食を作る割合も高くなっていました。
また、夕食を調理する時間については、約半数が45分以上かけて調理していることが分かりました。
料理に関する意識の質問では、7割以上が「料理にかける時間をなるべく短縮したい」と回答し、レトルト食品や冷凍食品に対する抵抗感も低かったです。
しかし同時に、「料理はなるべく手作りしたい」という回答も6割以上を占めていたことから、本来は手作りを望みつつも、時短を優先するためにレトルト食品や冷凍食品を受け入れている意識がうかがえます。
「手作り料理」については、当然ではあるが、多くが「自分で食材を用意し調理したものが手作り」という認識でした。つまり「自分で食材を準備する」+「それを調理する(お鍋で煮込む、フライパンで炒める、など)」の二つの要素から成り立っているということが言えそうです。
どちらかの要素が欠けてしまう場合、手作りと回答する割合が大きく下がりました。(例えば、野菜などの食材を切って用意し、電子レンジで調理した場合、手作りと回答した割合は6割弱)やはり両方の要素が揃っていないと、人によって判断が分かれるということになるようです。
(digmar編集部)