小さな不満から商品開発の種を探る！商品の不満アンケート 歯磨き粉編

普段何気なく使用しているものに対して、ふと、「もっとこうだったらいいのに」と感じることはありませんか。

2023年8月に株式会社マツキヨココカラ＆カンパニーから発売された「matsukiyo 指にまきやすい絆創膏」は、当時9歳だった小学生の「絆創膏を指に巻くときに、左右のテープがくっついてしまい巻きにくい」という素朴な不満をアイデアに変えて誕生した商品です。
たしかに、絆創膏を巻くときにテープがくっついてしまった経験は筆者もあるのですが、それについて大きく気にしたことはなく、そのまま使い続けていました。

この絆創膏の例と同じように、現在売られている様々な商品について、「小さな不満」を持ちつつも、不満が顕在化されていないケースはあるのではないでしょうか。
または、不満を感じる人が少数なために見逃されているものもあると考えられます。

そういった不満を探るため、自由記述形式で商品について回答してもらうアンケートを実施してみました。
今回は、多くの人が日々使用している「歯磨き粉」をテーマに取り上げました。また、あわせて「歯磨き粉を選ぶときの重視点」について選択式で質問しました。

【調査概要】
調査手法：インターネットリサーチ
調査対象：20～69歳の男女（インターネットモニター）
調査期間：2024年9月30日～10月1日
有効回収数：616名（性別年代均等割り付け）
調査主体：弊社（株式会社マーケティング・リサーチ・サービス）

歯磨き粉　購入重視点

歯磨き粉を購入する際の重視点について質問してみたところ、「歯周病予防効果が高い」が40％で最も高い結果となりました。次に高かったのが「虫歯予防効果が高い」で38％、3番目に高かったのが「価格が安い」が33％でした。

歯磨き粉の購入重視点を男女別に見てみました。
ほとんどの項目で女性の方がやや高くなっていましたが、なかでも「好みの味である」は男性よりも10％以上高い結果となりました。また、「好みの味である」は全体で見たときよりも女性の順位が上がっていました。
一方、「清涼感が強い」「人気の商品である」「歯磨き粉は自分で買っていない」は男性の方が高い結果となりました。

歯磨き粉　満足度

現在使用している歯磨き粉の満足度について質問してみたところ、68％が「満足している(満足している～やや満足している)」と回答していました。

歯磨き粉　不満点

＊自由回答の一部抜粋

歯磨き粉の容器について

市販の歯磨き粉は90g～130g程度のものが一般的ですが、もう少し大容量のものが欲しいという声が上がっていました。また、チューブ型の容器が使いにくく、最後まで使い切ることが難しいという意見もありました。

歯磨き粉の成分について

研磨剤やフッ素など、歯磨き粉の成分を気にする人は効果効能だけでなく、裏面の成分表も確認して購入しているとのことでした。

歯磨き粉の味について

少数でしたが、多くの歯磨き粉に共通するミント感が苦手という方もいました。
なかには、市販の歯磨き粉の大半がミント味であるため、ほとんどの市販の歯磨き粉を使用することができないという意見もありました。

まとめ

歯磨き粉を選ぶ重視点としては、歯周病や虫歯、口臭などの予防効果を重視する人が多くなっていました。なかでも女性の方が歯磨き粉の効果を重視する割合が高かったです。

歯磨き粉の不満点では、「チューブ型の容器では、最後の方に残った歯磨き粉が出しにくい」という意見が挙がっていました。たしかに筆者も、歯磨き粉を最後まで出し切るために、チューブを細かく折って使うことがあり、「最後まで歯磨き粉が出しやすかったらいいのに」と思ったことがあります。こういった人は一定数いるのかもしれません。

また、歯磨き粉の味については「清涼感が苦手」という意見も見られました。なかには「ミント感が苦手なため、使える歯磨き粉の選択肢が限られる」という悩みの声も挙がっていました。

重視点の質問では、「清涼感が弱いこと」を重視する割合は6％と低くなっていたため、このような不満を持っている人は多くないと考えられます。しかし、少数でも強い不満を持っている場合は、ニッチなニーズとして成り立つ可能性があるため、このような意見を見逃さずに吸い上げていくことは重要であると考えられます。

(digmar編集部)