ストロング系チューハイ終了の流れに飲用者も賛否両論⁉|自宅で飲むお酒アンケート2
コロナ禍以降、居酒屋などの飲食店ではなく自宅でお酒を飲む「家飲み」の市場が拡大しました。中でも「チューハイ・カクテル」は、総務省の家計調査によると購入金額がコロナ禍以前から大きく上がっており、1近年人気が高まっているカテゴリーです。
しかし今年に入りアルコール度数の高い、いわゆる「ストロング系」のチューハイの販売を見直す企業が出てきました。
アサヒビールは1月に「アルコール度数が8%以上の缶チューハイの新商品を今後発売しない」という方針を発表しました。担当者によると「健全で持続可能な飲酒文化を目指していることから、高アルコールチューハイの販売を控えることにした」とのことです。2
また、2月にはサッポロビールも同様の方針を発表しています。3
現在、RTDのアルコール度数は様々なバリエーションがあり、消費者にとっては幅広い選択肢があります。その中で、現在ストロング系の商品を求めている人はどのくらいいるのでしょうか。また、ストロング系を飲んでいる人は、この撤退の流れについてどのように思っているのでしょうか。
今回は20代~50代の男女401名に自宅で飲むお酒についてアンケートを実施しました。
【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:20~59歳の男女(インターネットモニター)
調査期間:2024年3月1日~3月4日
有効回収数:401名
調査主体:弊社(株式会社マーケティング・リサーチ・サービス)
自宅でお酒を飲む頻度
普段自宅でお酒を飲む頻度について質問したところ、「週に1日以上自宅でお酒を飲む」人は全体の55%でした。また、週に5日以上自宅でお酒を飲むという人は15%いました。
普段自宅で飲んでいるお酒の種類
月に1日以上自宅でお酒を飲む人に、自宅で飲んでいるお酒について質問しました。
普段飲んでいるお酒としては「ビール」が最も高く、次に「チューハイ(アルコール度数5%~7%)」、3番目に「発泡酒」と「チューハイ(アルコール度数4%以下)」がほぼ同率で高くなっていました。
一方で、「チューハイ(アルコール度数8%以上)」「日本酒」「ウイスキー・ハイボール」といった、比較的アルコール度数の高いお酒は、いずれも順位が低くなっていました。
さらに自宅でお酒を飲む頻度ごとに見てみたところ、自宅でお酒を飲む頻度が高い人ほど、比較的アルコール度数の高い「焼酎」「チューハイ(アルコール度数8%以上)」「ウイスキー・ハイボール」を飲む割合も高くなっていました。
自宅で飲むお酒を選ぶ際の重視点
自宅で飲むお酒の重視点は「味がおいしい」が最も高く、次に「価格が安い」、3番目に「食事に合う」が高くなっていました。また「最も重視すること」においても回答の順位はほとんど変わりませんでした。
酒を飲む頻度ごとに回答を見てみたところ、自宅でお酒を飲む頻度が高い人ほど、「アルコール度数が高い」ことを重視する割合も高くなる傾向がやや見られました。
ストロング系チューハイの廃止に対する反応
普段自宅で「チューハイ(アルコール度数8%以上)」を飲んでいる人に対して、アルコール度数8%以上の「ストロング系チューハイ」が販売されなくなるとしたら、どう思うかを質問しました。
「賛成+やや賛成」が35%、「反対+やや反対」が32%とほぼ同率になっていました。
また、賛成や反対の理由について自由記述形式で回答してもらったところ、以下のような回答が得られました。
賛成の理由
- アルコール度数が高すぎて身体に悪いから
- 酔い方が良くないから
- 別にアルコールが強くなくても、おいしければいい
- 飲み過ぎないで済むので
反対の理由
- 酔いたい時に飲みたいから必要
- コスパが良い飲み物が無くなるのは残念
- 度数が低いとなかなか酔えずコスパが悪いので
- アルコール度数が低いものは、飲みごたえがないから
まとめ
全体としては、ストロング系チューハイを普段飲んでいる人は約3割、「アルコール度数が高いこと」を重視して商品を選んでいる人は約1割となっていました。
ただし、お酒を飲む頻度が高い人については、ストロング系を飲む割合が高く、「度数が高いこと」重視の割合も高くなっていました。
また、ストロング系を普段飲んでいる人でも、ストロング系チューハイの廃止については賛否が分かれる結果となりました。
賛成の人からは健康面の理由や「度数を重視していないから」といった理由が見られ、反対の人からは「ストロングはコスパが良いから」や「酔いたいから」といったお酒で酔うことを重視した理由が見られました。
家飲みをする人は増えた一方で、自宅ではアルコール度数の高いお酒を飲まない人が多かったことから、メーカー各社がストロング系チューハイの販売を見直すようになった、という事情もあるのかもしれません。
ただ、アルコールの過剰摂取による健康被害の懸念もある中で、そういったニーズを満たす商品を作るべきなのかは、売上とは別軸の、エシカル的な観点からも検討する必要がありそうです。
(digmar編集部)