働き方アンケート-週休3日制編-|週休3日制が導入されることでワークライフバランスは向上する?

週休3日制についてのアンケート

近年、働き方改革の施策の一つとして、1週間の中で休日を3日間とする「週休3日制」の導入が注目されてきています。政府としても、2021年に発表した『経済財政運営と改革の基本方針2021』の中で、「”育児・介護・ボランティアでの活用、地方兼業での活用などが考えられることから、好事例の収集・提供等により企業における導入を促し、普及を図る。”」と述べており、国として週休3日制の導入を検討する流れになっています。

普段、週休2日制で働いているビジネスパーソンの方々は、この週休3日制についてどのように考えているのでしょうか。「休みが1日増えて嬉しい」と考える一方で、「平日の仕事が回らなくなるのでは」という懸念を抱いている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、現在週休2日以下で働いている社会人(正社員)508名に、週休3日制の利用意向や不安点などをアンケートで聞いてみました。

【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ
調査対象:20~79歳の男女(インターネットモニター)
     週休2日以下の社会人(正社員)
調査期間:2023年9月4日~9月5日
有効回答数:508サンプル
調査主体:弊社(株式会社 マーケティング・リサーチ・サービス)

現在の自身のワークライフバランスは適正だと思うか

設問1

あなたは、現在のご自身のワークライフバランス(仕事とプライベートのバランス)について適正だと感じていますか。(単一回答)

現在ののワークライフバランス

現在の自身のワークライフバランスについて、適正だと思っているかどうかを質問したところ、約70%が「適正だと思う1」と回答していました。

週休3日制を利用したいと思うか

設問2

あなたの職場で、次のような条件の「週休3日制」が導入されるとしたら、利用したいと思いますか。(各単一回答)

週休3日制を利用したいと思うか

「総労働時間維持型(1日あたりの労働時間が増えるが、給与は現在と変わらない)」と、「給与減額型(1日あたりの労働時間は現在と変わらないが、給与が減る)」という2つのタイプの週休3日制について、それぞれどの程度利用したいかを質問しました。

「総労働時間維持型」については50%以上が利用したい2と回答していました。一方、「給与減額型」については利用したい人は約20%となっていました。

次に、先ほどの「現在のワークライフバランス」の質問の回答から、「WLB3適正(「そう思う」と「ややそう思う」の計)と「WLB非適正(「あまりそう思わない」と「そう思わない」の計)に分けて、週休3日制の利用意向を見てみました。

「1日の労働時間が長くなる」という条件(=総労働時間維持型)の場合、WLB適正の人の方が週休3日制を利用したい割合が高くなっていました。

現在のWLBに満足している人は、平日の労働時間を増やせる余裕があるため、利用意向が高くなっており、逆にWLBに不満のある人は、「平日の労働時間がこれ以上増えると困る」と考えて、利用意向が低くなっているのではないかと考えられます。

一方、「給与が減る」という条件(=給与減額型)の場合は、WLB適正、WLB非適正ともに利用意向が低くなっていました。現在のWLBにかかわらず、給与が減るなら週休3日制を利用したくないと考える人が多いのだと考えられます。

年代別週休3日制を利用したいと思うか

年代別でも週休3日制の利用意向を見てみます。20代が、週休3日制を利用したい人の割合が最も高くなっていました。

週休3日制で増えた休日にやりたいこと

設問3

もしあなたの職場で週休3日制が導入された場合、増えた休日をどのように過ごしたいと思いますか。当てはまるものをすべてお答えください。(複数回答)

週休3日制で増えた休日にやりたいこと

週休3日制で増えた休日にやりたいことについて質問したところ、「趣味の時間に充てる」「自宅で過ごす」「心身の休息に充てる」がTOP3となりました。一方で「勉強・自己研さんをする」「習い事をする」は低くなっていました。

週休3日制が導入された場合の不安点

設問4

あなたの職場で週休3日制が導入されるとした場合、どのようなことが不安だと感じますか。(複数回答)

週休3日制の不安点

次に、週休3日制が導入された場合に、どのようなことを不安に思うかについて質問しました。

「給与が減ること」が58%で最も高く、次に「平日の仕事の量が増えること」が36%で高くなっていました。「休日の出費が増えてしまうこと」は20%で3番目に高くなっていました。

週休3日制が導入されることで自身のワークライフバランスは向上すると思うか

設問5

あなたの職場で週休3日制が導入された場合、あなた自身のワークライフバランス(仕事とプライベートのバランス)は向上すると思いますか。(単一回答)

週休3日制によってワークライフバランスは向上するか

週休3日制が導入されることで、自身のワークライフバランスにどのような影響があると思うかについて質問しました。

向上すると思う人は合計で44%でした。一方で低下すると思う人は合計で17%となっていました。

こちらの質問についても、現在のワークライフバランスの回答を軸に結果を見てみました。

現在のWLB別週休3日制でワークライフバランスは向上するか

WLB適正、WLB非適正ともに約45%が向上すると回答しており、差は見られませんでした。

まとめ

「総労働時間維持型」週休3日制の方が「給与減額型」週休3日制よりも利用したい人の割合が高いことが分かりました。

「給与減額型」の方は利用したいと思う人が少なく、「週休3日制が導入された場合の不安点」の質問でも「給与が減ること」を不安に思う人が最も多くいたことから、休日が1日増えることよりも収入を維持することの方が大事だと考える人が多いのではないかと考えられます。

また、現在のワークライフバランスが適正だと感じている人の方が、週休3日制への意欲も高いということが分かりました。逆にワークライフバランスが適正でないと感じている人の方は、週休3日制が導入されることでワークライフバランスが更に低下すると考える人も一定数いました。

年代別では、20代は週休3日制に対して最も意欲的という結果になりました。一般職と管理職といった役職やライフステージによって週休3日制に対する考え方が異なっているのかもしれません。

「週休3日制で増えた休日にやりたいこと」では、「自宅で過ごす」や「心身の休息に充てる」などゆっくり過ごすような過ごし方が高くなっており、「スポーツ」や「ショッピング、レジャー施設」といったアクティブな過ごし方は低くなっていました。週に3日間休みがあるということで、色々と予定を詰め込まずにゆったりとした時間の使い方をしたいと考える人が多いのかもしれません。

次回は働き方アンケート後編として、「副業」についてアンケートをおこないました。週休3日制と同様に、「副業」についても許可する企業が増えつつあります。実際に現在副業をおこなっている人や、週休3日制が導入された場合に副業をしたい人はどの程度いるか、等について聞いてみました。ぜひあわせてご覧ください。

  1. 「そう思う」と「ややそう思う」の計 ↩︎
  2. 「利用したい」「やや利用したい」計。以降も同表記 ↩︎
  3. WLB=ワークライフバランス ↩︎

(digmar編集部)