「No.1表記」は約5割の人が購入動機になると回答!

~「No.1表記」についてのアンケート調査~

近年、自社商品・サービスが他社よりも優位であることを訴求するために、『業界売上No.1』『顧客満足度No.1』などの「No.1表記」を広告の表現に利用しているケースがよく見受けられるようになりました。
一方では、客観的な事実がなかったり、非公正なやり方でNo.1を取るなど、「No.1表記」を悪用するケースも増えています。弊社が加盟している日本マーケティング・リサーチ協会は、2022年1月に、No.1を謳うために結果ありきの調査を誘導する姿勢に強く抗議するとともに、市場調査を行う意義について声明(『非公正な「No.1調査」への抗議状』)を表明しました。

そこで、今回は、「No.1表記」が、購入の要因になっているのか、内容を確認しているのかなど「No1表記」についてアンケート調査を行いました。

調査概要

調査期間:2022年7月15日(金)~18日(月)
調査主体:弊社
調査対象:20歳~69歳の男女(全国)
有効回答数:1,024名
調査方法:インターネット調査
*小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
*回答者属性は以下のとおりです。

結果要約

・ 「No.1表記」について、約5割の人が購入動機になると回答。男性よりも女性の方が高い傾向である。
・ 全体の約4割が「No.1表記」の表記が必要であると回答。一方、50代以上の高年齢層では不要の割合が高くなる。
・ 「No.1表記」の内容を「ほぼ確認」する割合は全体の約15%。全体の約4割が「ほとんど確認しない」と回答。

詳細内容

Q1. あなたは、普段、商品・サービスを購入する際に、業界売上No.1、契約者数No.1、顧客満足度No.1などの「No.1表記」は購入の動機になりますか?

「No.1表記」が購入動機となるか聞いたところ、”購入動機になる(とてもなる+ややなる)”と回答した割合は全体の約5割強でした。また、性別で見ると女性の約6割が購入動機になると回答し、男性よりも高い傾向です。

Q2. あなたは、「No.1表記」について、どのように感じますか?

「No.1表記」をどのように感じているかを聞いたところ、「よく売れている商品だと感じる」と回答した割合が最も高く約5割、次いで「多くの消費者が支持している商品だと感じる」でした。3番目に高かったのが「No.1以外の特徴が説明しにくい商品」であり、必ずしも良い印象を与えているとは限らないことがわかりました。

Q3. あなたは、「No.1表記」が購入の動機になった商品やサービスのカテゴリーはありますか?

*Q1”購入動機となる(とてもなる+ややなる)”の回答者

「No.1表記」が、どのような商品・サービスに購入動機につながったかを聞いたところ、家電が最も高く約4割、次いで日用品、飲料・食品、化粧品の順でした。家電以外は比較的低価格な生活用品が上位に来ています。

Q4. あなたは、商品やサービスを購入する時に「No.1表記」は必要だと思いますか?

「No.1表記」が必要かどうか聞いたところ、”そう思う(とてもそう思う+ややそう思う)”と回答した割合は全体の約4割でした。また、女性は5割近くが”そう思う”と回答しています。
年代別で見ると、男女ともに50代以上の高年齢層において”そう思う”の割合が低くなっていることがわかりました。

Q5. あなたは、「No.1表記」が必要だと思うのはどのような時ですか?

*Q4「No.1表記」が”必要と思う(とてもそう思う+やや思う)”の回答者

「No.1表記」が”必要と思う(とてもそう思う+やや思う)”と回答した人に対して、どのような時に必要かを聞いたところ、「買おうとするものについて知識がない時」が最も高く、全体の約6割でした。次いで「一つに決められない時」でした。
一方、「いつでも必要」「失敗したくないとき」は低い傾向です。

Q6. あなたは、「No.1表記」が、どのようなデータ(根拠)でそのように言っているのか、内容を確認することはありますか?

「No.1表記」の内容を確認するかについて聞いたところ、「ほぼ確認する」の割合は全体的に低い傾向でした。
また、「ほとんど確認しない」は全体の約4割、”確認する(ほぼ確認する+場合によっては確認する)”の割合は全体の約6割という結果となり、確認することの方が多いことがわかりました。

Q7. あなたは、「No.1表記」の内容を確認するのは、どのような時ですか?

*Q6”場合によっては確認する”もしくは”ほとんど確認しない”の回答者

「No.1表記」の内容を”場合によっては確認する”もしくは”ほとんど確認しない”に回答した人に対して、どのような時に確認するかを聞いたところ、「購入しようか迷った時」が最も高く、購入の判断材料に利用していることがうかがえます。次いで、「内容がわからない時」「怪しいブランド・商品の時」「内容が気になった時」の順になっており、「No.1表記」に対し疑念を抱いた時に確認していることがわかりました。

Q8. あなたは、「No.1表記」の内容を確認しないのは、どのような時ですか?

*Q6”ほぼ確認する“もしくは”場合によっては確認する”の回答者

今度は、Q6にて”ほぼ確認する“もしくは”場合によっては確認する”の回答者が、確認しないのはどのような時か聞いたところ、「購入すると決めている時」が最も高く、全体の約4割でした。次いで「内容を知っている」「No.1と思える商品・ブランド」の順でした。購入が決定している場合や商品・企業などに対する信頼がある場合には調べない傾向にあることがわかりました。

まとめ

「No.1表記」が、少なからず購買につながっていることがわかりました。(特に商品知識がない時、購入に迷った時など)
しかしながら有用だからと言って、安易にNo.1調査をしてはいけないと改めて感じました。客観的な事実に基づく根拠を示さなければ、消費者を騙すことになり、後で事実と異なるとわかると二度と購入して貰えなくなります。それどころか、例え悪意がなくとも、不当景品表示法によって不当表示違反に問われる可能性があるのです。
もしNo.1調査を実施する場合には、信頼のおける第三者機関に依頼し、正当な方法で実施し、正しい情報を表記することが必要です。

(digmar編集部)