全国の男女2,090人に「住まいに関する意識調査」を実施 Z世代の約6割が住宅購入の意向ありと回答
大人世代に比べ、フレキシブルな住まいや仕事や勉強に取り組める空間を求める傾向
YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 秀充)は、次世代に向けた商品開発を見据え、「住まいに関する意識調査」を実施しました。新型コロナウイルス感染症の拡大により、約8割の人が「生活が変化した」と回答し、住まいに対する意識も変化している中で、これから社会の中心となっていく「Z世代」の意識に注目して調査結果を紹介します。
YKK APでは、住まいに対する消費者意識の変化をとらえ、今後の社会や生活者のニーズに沿ったモノづくりをするため、2022年3月、全国の男女2,090人に「住まいに関する意識調査」を行いました。回答を、15~24歳の421人を「Z世代」、25~39歳の629人を「ミレニアル世代」、40~69歳の1,040人を「大人世代」として集計した結果、社会課題に関心が高くデジタルネイティブとも言われ、新しい価値観を持つ「Z世代」の住宅購入意欲の高さや、ライフステージに応じて土地や家などを変えるフレキシブルな住まい方への関心の高さ、仕事や勉強に取り組める空間が求められることを確認しました。
YKK APは、生活者の住まいに関する意識を把握することで、今後求められる住まいの機能やデザインを考え、地球環境にも住まう人にもやさしく、快適な住まい作りを実現する商品の提供を続けるほか、Z世代をはじめとした若い世代に対しても、様々な取り組みや商品提案を検討してまいります。
<主な調査結果>
■Z世代では、将来的な希望も含めた住宅購入意向者は約57%
そのうち、「新築住宅」を希望している人が約70%、「中古住宅」は約25%
■Z世代は大人世代に比べて、フレキシブルな住まい方への関心が高い
■理想の住まいとして、全世代で落ち着いた穏やかな気持ちで過ごせる空間が求められる
Z世代は仕事や勉強に取り組める空間を求める傾向あり
■住まいには「自分にとってメリットを重視した暮らし」を求める傾向
Z世代は、ほかの世代より環境配慮・社会問題への意識が高い
<調査概要>
調査期間 2022年3月25日~30日
調査方法 インターネット調査(YKK AP調べ)
調査対象 全国の15歳~69歳の男女
サンプル数 2,090人
<世代別集計の内訳>
「Z世代」 1998年~2007年生まれ(15歳~24歳) 421人
「ミレニアル世代」 1983年~1997年生まれ(25歳~39歳) 629
「大人世代」 1953年~1982年生まれ(40歳~69歳) 1,040人
Z世代では、将来的な希望も含めた住宅購入意向者は約57%
そのうち、「新築住宅」を希望している人が約70%、「中古住宅」は約25%
Z世代のうち、住宅購入を予定している、または将来的に住宅を購入・所有したいと回答した人は56.9%と、6割近くが家を持ちたいと考えていることが分かりました。
また、購入意向がある人に“購入したいと思う住宅のタイプ”を聞いたところ、Z世代では「新築・戸建住宅」と回答した人が42.6%、「新築・マンション」が26.8%となり、69.4%が「新築」を希望するという結果に。これは、ほかの世代と比較しても大きな差はなく、若い世代においても、新築住宅への憧れが強いことがうかがえる結果となりました。
Z世代は大人世代に比べて、フレキシブルな住まい方への関心が高い
どんな暮らしをしたいかという問いには、Z世代は「ライフステージに応じて住む土地を変える暮らし」を希望する人は36.3%となり、大人世代に比べて14.7ポイント多い結果になりました。
一方で、大人世代は「できるだけ長く同じ土地に住み続ける暮らし」を希望する人が半数以上の62.9%となり、Z世代との差が21.3ポイントと大きい結果となりました。
「同じ家や住まい方(戸建・マンションなど)に住み続ける暮らし」と「ライフステージに応じて家や住まい方を変える暮らし」のどちらを望むかという設問の結果も同様の傾向がみられ、大人世代は同じ土地・同じ家に長く住むことを望む人が多く、若い世代ほどライフステージに応じて土地や住まいを変えるフレキシブルな住まい方への関心が高いことが分かりました。
理想の住まいとして、全世代で「落ち着いた穏やかな気持ちで過ごせる空間」が求められる
Z世代は仕事や勉強に取り組める空間を求める傾向あり
全世代において、「理想の住まい(家)」に求める空間として一番多く選ばれたのは「落ち着いた穏やかな気持ちで過ごせる空間」となり、次いで「心身の調子を整え、健康を維持できる空間」が選ばれました。その他、家族で過ごす時間を楽しむことができ、非常時にも安心・安全に過ごせる空間などが、どの世代にも求められていることが分かりました。
また、Z世代と大人世代の住まいに求める空間を比べると、「落ち着いた穏やかな気持ちで過ごせる空間」は大人世代の方がZ世代より20.8ポイント多く、「友人や来客を迎え、コミュニケーションを楽しめる空間」ではZ世代の方が大人世代より7.2ポイント多く選ばれました。この結果から、大人世代は落ち着いて寛ぐための空間ととらえ、Z世代は住まいをよりアクティブに楽しむための空間ととらえる傾向があることが分かりました。
さらにZ世代では、「仕事や勉強に効率的に取り組める空間」を選択した人は28.7%で大人世代より11ポイント多い結果となり、コロナ禍を経てZ世代は自宅を“働く場・学ぶ場”ととらえることが当たり前になってきていることが確認できました。具体的には、「公私のスペースを分けられる間取り」や「テレワークなどに使える独立した個室」「リビングなどの一角に設けたワークスペース」を求める意見が多く集まりました。
インテリアの好みについて尋ねた問いからは、Z世代は自分の好みに合わせた家具の組み合わせや、生活感のないシンプルな空間、トレンドへの関心が高く、自分らしさを表現できる空間を望むことが分かりました。
住まいには「自分にとってメリットを重視した暮らし」を求める傾向
Z世代は、ほかの世代より環境配慮・社会問題への意識が高い
一般的に環境・社会問題に関心が高いと言われるZ世代ですが、「どんな暮らしをしたいか」という問いに対し、「多少お金がかかっても地球にやさしい暮らし」を選ぶ人の割合に、ほかの世代と顕著な差はみられませんでした。プライベート空間である住まいにおいては、自分にとっての暮らしやすさを重視する意識が高いものと考えられます。
一方で、住まいに関わらず商品を購入する時の意識を聞いたところ、Z世代は「製造・販売する企業の、SDGsなどの環境・社会問題に取り組み姿勢を重視する」と回答した人が48.5%と半数近い結果となりました。また、「多少高くても、社会貢献や環境配慮につながる商品を選ぶ」は42.1%、「モノはできるだけ自分で所有せず、シェア・レンタルなどを利用する」は37.5%が「あてはまる」と回答。Z世代はミレニアル世代や大人世代に比べて、環境配慮や社会問題への意識が高いことを確認しました。
本調査では全世代において、お金がかかっても地球にやさしい暮らしをするよりも、自分にとってのメリットを重視した暮らしを望む人の方が多い結果となりましたが、Z世代の環境・社会問題への意識の高さは、今後住まいへの意識にも反映されていくことが予想されます。YKK APは、今後求められる住まいについて考え、生活者の求める住まいづくりに役立つだけでなく、地球環境にやさしく、社会課題を解決できる商品の開発を進めます。
(YKK AP株式会社調べ)