ペットの支出に関するアンケート調査
~2021年のペット関連年間支出、10万円以上が全体の約4割を占める~
アイペット損害保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:安田敦子 以下、当社)は犬・猫(以下、ペット)飼育者の1,018名を対象に、ペットの支出に関するアンケート調査を実施しました。
2020年(以下、昨年)と比較すると、2021年のペット関連支出の合計金額に大きな変化はみられなかったものの、その内訳については、「病気やケガの診療費」の割合が増加するなどの傾向が見られました。また、年間支出の合計額が10万円以上と回答した方の割合も増加しており、ペットの健康に関する支出の増加は、今後もペット飼育者にとって、懸念事項の1つとなることが予想されます。
【調査結果概要】
- 2021年のペット関連年間支出、「10万円以上」が全体の約4割を占める
- 昨年比、7割以上が「変わらない」と回答
- 最も増えた支出は、「病気やケガの診療費」
- ペット関連支出の中で「一番支出額が大きい」と感じる費用、大幅に増加は「フード・おやつ」
- 2022年の支出予測、「増えそう」は28.3%にとどまる
- 2022年に増えそうな支出、「病気やケガの診療費」、理由は「ペットの高齢化」
- ペット飼育者の3人に1人が理想に近い年間支出額
- 今後試したい支出、オンライン上でのサービスやコロナ禍における新しいニーズへ関心が高まる
【調査概要】
調査対象:全国の犬・猫飼育者
調査人数:1,018名 調査期間:2022年3月15日~23日
調査方法:インターネットにおけるアンケートを実施
目次
- 1 2021年のペット関連年間支出「10万円以上」が全体の約4割を占め、3年連続で猫飼育者よりも犬飼育者の方が多い結果に
- 2 ペット関連の年間支出額、昨年比7割強が「変わらない」と回答
- 3 最も増えた支出は「病気やケガの診療費」
- 4 ペット関連支出の中で一番「支出額が大きい」と感じる費用、「フード・おやつ」の割合が大幅に増加
- 5 2022年の支出予測、「増えそう」と回答したペット飼育者は28.3%にとどまる
- 6 増えそうな支出、犬・猫飼育者共通で「病気やケガの診療費」、理由は「ペットの高齢化」
- 7 理想の支出額、ペット飼育者の3人に1人が理想に近い年間支出額
- 8 試してみたい支出、オンライン上でのサービスやコロナ禍における新しいニーズへの関心が高まる
2021年のペット関連年間支出「10万円以上」が全体の約4割を占め、3年連続で猫飼育者よりも犬飼育者の方が多い結果に
2021年におけるペット関連の年間支出合計を尋ねたところ、犬飼育者は「5万円以上~10万円未満」が29.6%、猫飼育者は「5万円未満」が36.9%で最多となり、3年連続して猫飼育者よりも犬飼育者の方が、ペット関連支出が多い結果となりました。また、昨年と比較して増加が目立った金額帯は、犬飼育者では「20万円以上~30万円未満」(4.7ポイント)、猫飼育者では「10万円以上~20万円未満」(6.0ポイント)で、10万円以上と回答した方の割合は4.3ポイント増加し、全体の約4割を占めました。
ペット関連の年間支出額、昨年比7割強が「変わらない」と回答
続いて、「2021年のペット関連支出は前年比どうなったか」を尋ねたところ、7割強の飼育者が「変わらない」と回答した一方、「増えた」と回答した方は、犬飼育者が26.4%、猫飼育者が21.0%でした。
最も増えた支出は「病気やケガの診療費」
続いて、「増えた」と回答した方に、「何にかける費用が一番増えたか」を尋ねたところ、犬・猫飼育者とも「病気やケガの診療費」が最多となりました。昨年と比較すると、犬飼育者が7.9ポイント、猫飼育者が2.5ポイント増加しており、外出自粛やテレワーク普及などに伴い在宅時間が増えたことなどで、ペットの体調変化に気づきやすくなったことが、要因の1つとして考えられます。
続いて、「どれくらい費用が増えたか」を尋ねたところ、犬・猫飼育者共に「1万円以上~3万円未満」が最多となりました。また、「10万円以上」増加したペット飼育者の割合は、「増えた」と回答した方の中で20%を超えました。
さらに、「増えた理由」を尋ねたところ、自由回答では「医療費などのペットの病気に関連した支出の増加」「フードの値上げ」「ペットの高齢化に伴う支出」などの理由が挙がった他、「在宅時間が増えたことで、以前よりペットを気に掛けることができる時間が増えたから」と回答した飼育者が33.2%にのぼりました。その他、「外出自粛等の影響で支出が減り、ペットに充てることができるお金が増えたから」と回答したペット飼育者は17.2%でした。
ペット関連支出の中で一番「支出額が大きい」と感じる費用、「フード・おやつ」の割合が大幅に増加
続いて、「ペット関連支出の中で一番支出額が大きいと感じるものは何か」を尋ねたところ、犬・猫飼育者共通で、「病気やケガの診療費」「フード・おやつ」「ワクチン・健康診断などの予防費用」が上位に並びました。昨年と比較すると、特に増加したのは「フード・おやつ」で、犬飼育者で8.9ポイント、猫飼育者では12.2ポイント増えており、犬・猫飼育者共に、支出額の中で大きな費用と感じる方が増えているようです。
一方、「病気やケガの診療費」は、昨年と比べ、犬飼育者で7.9ポイント、猫飼育者で13.7ポイント減少しています。「病気やケガの診療費」はコロナ禍前最多でしたが、コロナ禍以降「フード、おやつ」の支出が大きいと感じる飼育者が増加傾向にあるようです。なお、当社獣医師による体脂肪率チェックを無料で実施するペット関連のイベントなどでも、「ペットのコロナ太り」や「おやつのあげすぎ」などに加え、「フード」に関する相談も増えており、ペットと過ごす時間が増えたことで、よりペットの健康や嗜好に適したフードを意識する方が増えている様子もうかがえます。
続いて、2022年のペット関連支出の予測についても調査しました。
2022年の支出予測、「増えそう」と回答したペット飼育者は28.3%にとどまる
続いて「2022年のペット関連支出の予測」について尋ねたところ、「増えそう」と回答した方は、犬飼育者が32.9%、猫飼育者が22.5%で、全体の7割弱が「変わらなそう」と回答しました。
増えそうな支出、犬・猫飼育者共通で「病気やケガの診療費」、理由は「ペットの高齢化」
続いて、「増えそう」と回答した方を対象に、「2022年のペット関連支出で増えそうなものは何か」を尋ねたところ、犬飼育者・猫飼育者共「病気やケガの診療費」が最多となりました。次には「ワクチン・健康診断などの予防費用」「フード、おやつ購入費」が続き、前述の「一番支出額で大きいと感じる費用」と同じ項目が並びました。
また、これらを選んだ理由としては、自由回答で「ペットの高齢化に伴う診療費増加」などが要因と考えられる回答が多く挙がった他、昨今の情勢から「物価の高騰」などを心配する声も挙がりました。
理想の支出額、ペット飼育者の3人に1人が理想に近い年間支出額
続いて、「ペット関連の合計支出の年間理想額」について尋ねたところ、犬飼育者は「5万円以上~10万円未満」、猫飼育者は「5万円未満」が最多となりました。なお、前述の「2021年のペット関連合計支出(年間)」の回答でも、犬・猫飼育者共に同様の最多ゾーンとなっており、2021年のペット関連年間支出は、3人に1人が理想に近い支出額だったという見方もできるのではないでしょうか。
試してみたい支出、オンライン上でのサービスやコロナ禍における新しいニーズへの関心が高まる
コロナ禍で新たなニーズが生まれ、新しいペット関連サービスも誕生しています。そこで、「今後、試してみたい支出項目(サービス)」についても尋ねたところ、「オンラインによるペットの健康診断、相談」「オンラインでのペット関連用品購入」が、犬・猫飼育者共通で上位に挙がりました。
新型コロナウイルス感染拡大が続く中、ワクチン接種が進むなど、昨年は日常生活に徐々に変化を感じることができた1年でしたが、依然として続いた外出自粛や在宅時間増加に伴い、オンライン上でのサービスにこれまで以上に関心が高まっているようです。その他、犬飼育者では、「ペットと泊まれるホテルへの宿泊」、猫飼育者では、「ペット家電(スマートトイレ、首輪型IoTデバイスなど)」などが次点に挙がり、コロナ禍における旅行への新しいニーズや、自宅でペットと過ごす時間が増えたことに伴う、室内で使うペット用品への興味・関心の高さを感じる結果となりました。
今回の調査では、昨年と比べ年間支出の合計額の割合に大きな変化は見られなかったものの、その内訳については、「病気やケガの診療費」の割合が増加するなどの傾向が見られました。さらに、今後増えそうな支出でも「病気やケガの診療費」「ワクチン・健康診断などの予防費用」が上位にきており、長引くコロナ禍によって、生活スタイルが変化し、ペットと向き合う時間が増えたことで、ペットの体調や健康状態に目を向ける方が増えていることがうかがえます。また、年間支出の合計額が10万円以上と回答した方の割合も増加しており、ペットの健康に関連する支出の増加は、今後もペット飼育者にとって、懸念事項の1つとなることが予想されます。
ペットの医療には、公的な健康保険制度がないため、病院を受診すると自由診療となり、診療費が基本的に全額自己負担となるため、飼い主の医療費負担が大きくなりがちです。そうした診療費の負担を軽減し、大切なペットの万が一に備える手段の一つとして、ペット保険があります。大切なペットの万が一の病気やケガの際に経済的な心配をせず、ペットにとって最善な治療を選択できるよう、ペット保険の活用を検討されることをお勧めします。
(アイペット損害保険株式会社 調べ)