コロナ禍における名刺文化に関する意識調査

Sansan株式会社は、全国の20〜60代のビジネスパーソン1050名を対象に、「コロナ禍における名刺文化に関する意識調査」を実施しました。

今回の調査では、コロナ禍においてオンラインでの商談や会議が普及し、紙の名刺交換が減少する中でも、名刺がビジネスに必要だと感じている人が過半数おり、「正確な情報の入手・提供」を名刺の価値と捉えていることが分かりました。また、今後紙の名刺文化がなくなると考えている人が46.4%となる一方で、60.9%の人が名刺の文化自体は継続すると考えていることも明らかになりました。
このことから、正確な人物情報のやりとりという名刺の本質的なニーズを満たすことができれば、名刺の形式にこだわらない人が増加していることが分かります。実際、今後利用したい名刺の形式は、「紙の名刺とオンライン名刺のどちらも併用」と回答した人が42.2%と最も多い結果となり、ビジネス様式にオンラインが加わる中、オフライン・オンラインのコミュニケーション方法に適した名刺の形式が、必要とされていることがうかがえる結果となりました。

■調査結果サマリ

  • 名刺の必要性を感じている人は、「正確な情報の入手・提供」を名刺の価値と捉えている。
  • 管理面の負担や、商談・会議のオンライン化の風潮を受け、紙の名刺にこだわらない人が増加。今後紙の名刺がなくなると考えている人は約半数にあたる46.4%となる一方、60.9%の人が名刺の文化自体は継続すると考えている。
  • 今後利用したい名刺の形式は、「オンライン名刺(※1)」、「紙の名刺とオンライン名刺のどちらも併用」の合計で65.6%に上り、オフラインとオンラインのハイブリット型のコミュニケーションに適した名刺の形式が求められている。

■調査の背景

コロナ禍において、商談や会議、イベントなどがオンラインで実施され、非対面のコミュニケーションが大きな割合を占めるようになり、それによってビジネススタンダードも大きく変化しました。

このような環境下で、当社は法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」および名刺アプリ「Eight」においてオンライン名刺機能の提供を行い、オンラインにおけるビジネスの出会いを後押ししています。必要な時に必要な分だけ、Sansan上で紙の名刺の作成と注文申請を可能にするオプション機能「Sansan名刺メーカー」の提供も、2021年5月より開始しています。同機能をオンライン名刺と併せて提供することにより、名刺をオンライン・オフライン問わず、柔軟な形で持つことができるようになり、企業における多様な働き方の推進を支援しています。

当社は、ビジネスにおける出会いのシーンの象徴ともいえる「名刺」に対する意識が、コロナ禍前とコロナ禍で変化したのかを明らかにし、新しいコミュニケーションの在り方の糸口をつかむべく、今回の調査を実施しました。その結果、ビジネスパーソンが、コロナ禍前とコロナ禍で名刺自体への必要性について意識に変化があったことが分かりました。

■調査結果の概要

ポイント①:名刺は必要だが紙であるべきだとは思わない人は、コロナ禍において18.3%となりコロナ禍前の倍以上に

ビジネスにおける名刺の必要性について聞いたところ、コロナ禍前は75.0%が、コロナ禍においては59.5%が「必要だと思う」と回答しました。対面での名刺交換の機会が激減する中においても、名刺の必要性についての意識は若干の減少にとどまり、引き続き名刺を必要とするビジネスパーソンが過半数いることが分かりました。

さらに、コロナ禍前もしくはコロナ禍で名刺を必要だと感じている人に、名刺は紙であるべきかどうかの認識を聞いたところ、「あまりそう思わない」、「そう思わない」の合計が、コロナ禍前は7.5%だったのに対して、コロナ禍においては18.3%となり、コロナ禍前の倍以上になっていることも明らかになりました。

ポイント②:コロナ禍においても名刺の必要性を感じている人にとって、名刺の価値は「正確な情報の入手・提供」

コロナ禍においても名刺がビジネスに必要だと感じている人が過半数いる中、名刺を必要だと思う理由としては、「当てはまる」「やや当てはまる」の合計として、上位の回答は「相手の役職を含む正確な情報の入手(86.0%)」、「相手に対する自分の身分証明・正確な情報提供(85.5%)」となり、双方で正確な情報をやりとりするニーズが一番高いことが分かりました。

ポイント③:管理面の負担や、商談・会議のオンライン化の風潮を受け、紙の名刺にこだわらない人が増加。今後紙の名刺文化がなくなると考えている人は約半数にあたる46.4%となる一方、60.9%の人が名刺の文化自体は継続すると考えている。

コロナ禍前もしくはコロナ禍で名刺を必要だと感じている一方、紙の名刺でなくても良いと考える人に理由を聞いたところ、「当てはまる」「やや当てはまる」の合計として、上位の回答は「紙の名刺は保管が大変だから(77.4%)」のほか、「今後は打ち合わせ・商談はオンラインが中心になると思うから(76.8%)」となりました。商談・会議のオンライン化は一時的ではなく、今後も継続すると考えている人が多いことが明らかになりました。
「代用ツール(SNSやメール署名)で相手の正確な情報を知ることができるから(73.6%)」という回答も多く、正確な情報のやりとりが可能であれば、形式にこだわりはなく、便利なツールを利用していきたいというニーズがあることがうかがえます。

また、今後紙の名刺文化がなくなると思うかという質問に対し、「とてもそう思う(12.8%)」、「ややそう思う(33.6%)」の合計で46.4%の人が今後紙の名刺文化はなくなると回答しました。

「とてもそう思う」「ややそう思う」の回答の合計を世代別に見ると、20代が64.2%と圧倒的に多く、一方で60代では20.0%と低水準になっていました。「リモートネイティブ」という言葉も生まれる中、紙の名刺文化への認識について、世代間にギャップが生じていることが分かりました。

一方で、今後名刺文化自体がなくなると思うかという質問に対しては、「あまりそう思わない(34.8%)」、「思わない(26.1%)」の合計で、過半数となる60.9%の人が、継続すると考えていることが分かりました。

ポイント④:コロナ禍でオンライン名刺もしくは紙の名刺との併用をしている人は29.1%で、コロナ禍前に比べて増加。 65.6%の人が、今後オンライン名刺もしくは紙の名刺との併用を考えている。

利用している名刺の形式について聞いたところ、「オンライン名刺」、「紙の名刺とオンライン名刺のどちらも併用」の合計が、コロナ禍前は18.8%だったのに対して、コロナ禍においては29.1%となり、10%以上増加していることが明らかになりました。オンライン名刺の利用の割合も増えており、コロナ禍での商談・会議のオンライン化がオンライン名刺の普及を後押ししていることがうかがえます。

次に、今後利用したい名刺の形式についても聞いたところ、「オンライン名刺(23.4%)」と「紙の名刺とオンライン名刺のどちらも併用(42.2%)」と回答しており、ビジネスシーンに応じて紙とオンライン、それぞれの名刺を柔軟に使いこなすことで、今後ますますの浸透が見込まれるオフラインとオンラインのハイブリット型のコミュニケーションに対応しようとしていることが明らかになりました。

今般、新型コロナウイルス感染症対策として発令されていた緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が全面解除されたことで、対面での商談や会議が徐々に再開されていくことも想定されるため、当社ではオフライン・オンラインのコミュニケーション方法に適した名刺の形式が選ばれるようになると考えています。

 また、「名刺を使わない」と答えた人はわずか6.1%であり、かつ名刺の文化自体は継続すると過半数にあたる60.9%の人が「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答していたことからも、新しいコミュニケーションにおいても名刺文化は続いていくものと考えられます。

■調査概要
調 査 名:コロナ禍における名刺文化に関する意識調査
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:社外の人と、月に1度以上打ち合わせをする20~60代のビジネスパーソン1050名
調査期間:2021年9月3日~2021年9月4日
調査企画:Sansan株式会社
補足:本調査結果において、比率は小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計した数字が100%にならない場合があります。
※1:本調査における「オンライン名刺」の定義は「デジタル上で名刺を管理・交換(URLやQRコード経由)できるサービス」です。

(Sansan株式会社調べ)