【環境問題に関する意識調査】約70%がラベルレスボトルに賛成!

~消費者はプラスチックごみの削減についてどのように思っているのか~

地球温暖化や気候変動、森林や海水の汚染といった環境問題は、地球全体の重大な社会問題としてとらえられています。
地球温暖化の原因と言われている温室効果ガスは、企業の活動によって生み出される部分も大きいとされており、企業は環境問題への取り組みが求められます。
近年では、プラスチックごみを削減するためにスーパーやコンビニのレジ袋が有料になったり、プラスチックのストローが紙製に変更されたりといったことがあり、色々と話題になりました。また、テレビなどのメディアでも「SDGs」や「マイクロプラスチック問題」といった環境問題について多く取り上げられています。
こうした環境問題について消費者はどのように感じているのでしょうか。環境に良い商品やサービスを選びたいと思っているのでしょうか。レジ袋有料化や紙ストローなどの変化に対して共感したりしているのでしょうか。環境問題への取り組みは企業のブランドイメージの強化につながるのでしょうか。これらのことを明らかにすべく、環境問題に関する意識や企業の環境への取り組みへの評価について、アンケート調査を実施しました。

【調査概要】
・調査手法:インターネットリサーチ
・調査対象:20~69歳男女
・調査期間:2021年7月21日~7月27日
・有効回答数:605サンプル
・調査主体:弊社(株式会社 マーケティング・リサーチ・サービス)

回答者の年代構成は以下の通りです。

Q1.あなたは、地球温暖化や環境汚染などの環境問題について、どの程度関心がありますか。

まず初めに、環境問題についてどの程度関心があるかを質問したところ、「関心がある」(『関心がある』及び『やや関心がある』の計)と回答した人は全体の65.1%となりました。

年代別に見てみると、男女ともに「60代」が高いですが、女性では20代が最も関心が高くなっていました。さらに、男性20代も『関心がある』の割合が31.0%と他の年代に比べて高くなっていました。
年代の上の世代の方が環境問題への関心が高いと思われがちではありますが、20代の若い層でも関心が高いことが覗えます。

Q2.以下の環境問題に関する用語について、あなたがご存知のものをお答えください。

環境問題に関する用語について、どの程度知っているかについて聞いてみました。
「どんな内容かを知っている」と回答した割合が最も高かったのは「地球温暖化」でした。また、「温室効果ガス」「再生可能エネルギー」「SDGs」や「マイクロプラスチック」が、認知度(「内容を知っている」と「名前は聞いたことがある」の計)が70%以上という結果になりました。

最も低いのが「エシカル消費」で、認知度が35.7%でした。

Q3.以下の環境問題に関する考えについて、あてはまるものをお答えください。

※「そう思う」~「ややそう思う」のTOP2を表示

次に環境問題に関する意識について聞いてみました。
上のグラフは、それぞれの項目の「そう思う」~「ややそう思う」の合計を、「関心がある人」と「関心がない人」に分けて表示したものです。
全体では、「環境保全のために、プラスチックごみを削減すべきだと思う」「地球温暖化や気候変動の影響を実感している」「環境に配慮した取り組みを行っている企業は好感がもてる」の順に高い傾向となりました。
また、「環境問題に積極的な企業の商品やサービスを使いたいと思う」に着目してみると、「関心がある人」の67.3%が回答に対し、「関心がない人」は5.6%と、「関心がある人」との差が、50%以上と大きく開きました。環境問題に関心がある人にとっては、企業の環境への取り組みが購入意向につながると考えられます。

Q4.あなたが環境問題への行動として、普段から取り組んでいることをお答えください。(いくつでも)

環境問題への行動として普段から取り組んでいることについて聞きました。
「関心がある人」は「マイバッグを持参している」「ペットボトルや空き缶は分別している」「食品は使いきれる分だけを買う」といった項目が高くなっていました。
「マイバッグ持参」については「関心がない人」でも46.9%と約5割の人が実施しており、関心の有無に関わらず、浸透していることがわかりました。
また、「使っていない電化製品は主電源を抜いている」についても「関心がある人」と「関心がない人」であまり差が出ていませんでした。

「環境保全に積極的な企業の製品を買うようにしている」は「関心がある人」でも12.9%と低い結果となりました。前の意識の質問では、「関心がある人」の67.3%が「環境問題に積極的な企業の製品を使いたい」と回答していたのですが、実際に、意識して買っている人となると50%以上も少なくなりました。

Q5.以下の「プラスチックごみ削減」への取り組みとして導入されたものについて、どう思いますか。

「紙ストロー」や「ラベルレスボトル」、「紙製のパッケージ」などのプラスチックごみ削減の目的で導入されたものについて、賛成がどうかを質問しました。

全体では、「ラベルレスボトル」が最も賛成の割合が高く、次いで「ノントレー包装」、「紙製のお菓子の袋」の順となりました。
ラベルレスボトルはラベルがついていないため、ペットボトルをゴミに出す際にラベルを剥がす必要がなく楽だという利点があるようで、プラスチックごみが少ないという点だけではなく、利便性の点からも賛成する人が多くなっているのかもしれません。

Q6.以下の環境問題へ配慮した商品について、あなたは購入したいと思いますか。それぞれの項目について1つずつお答えください。

次に、環境問題への配慮から生まれた商品の例を挙げ、どの程度購入したいと思うかを質問しました。
「価格・品質にかかわらず購入したい」~「従来品と品質も値段も変わらなければ購入したい」の合計が高かったのは「オーガニック・無農薬食品」「海洋プラスチックごみを再利用した商品」「洗って繰り返し使えるラップ」といった項目でした。
その中で「オーガニック食品」と「繰り返し使えるラップ」は、「価格・品質にかかわらず購入したい」と「品質が良ければ、価格が高くても購入したい」の合計が約30%ありました。他の項目に比べて商品の特徴に価格以上の価値を感じている人が多いと考えられます。

Q7.「環境問題に積極的な企業」としてあなたが思いつく企業の名前をお答えください。

次に、「環境問題に積極的な企業」として思いつく企業名を自由回答で(純粋想起)答えてもらいました。
企業名が挙がったのは全体の約4割で、挙がった企業は「サントリー」「トヨタ」「スターバックス」「イオン」「コカコーラ」の順でした。
「その他」の企業名の例としては、「ユニクロ」「キリン」「旭化成」「JT」など幅広い種類の企業名が挙がっており、様々な企業が環境に良いというイメージを持たれていることが分かりました。

「環境問題に積極的な企業」の企業名を回答した人に、その理由を自由回答で質問しました。

理由のTOP3は「森林や水資源などの保護活動に取り組んでいるから」「エコカーや水素自動車を開発しているから」「環境問題への対策に積極的だと思うから」となりました。
また、「紙ストローや紙のパッケージを導入しているから」や「ラベルレスボトルを導入しているから」という身近な活動が要因で、企業名を挙げる人はあまり多くはなかったです。

<回答例>
●61歳男性
 企業名:サントリー
 理由:鳥類や森林保護に関する活動を長く行っているから
●29歳女性
 企業名:スターバックス
 理由:紙製のストローを使用したり、タンブラー割引などを行なっているから
●22歳女性
 企業名:旭化成
 理由:地球温暖化問題や水資源の保全のために、商品を通じて積極的に活動しているのがCMから分かるから

まとめ

今回の結果から、環境問題に関心がある人は、環境に良い商品やサービスを選びたいという意識が強いことが分かりました。紙ストローやレジ袋有料化といったプラスチックごみ削減に向けた取り組みに対してもポジティブに捉えていることが分かりました。
また、40%以上の人が「環境問題に積極的」のキーワードから企業名を挙げており、その挙がった企業は様々な業種で、挙がっていました。その中の多くの人が、森林保全活動や紙製のパッケージの導入など、具体的な取り組みを理由として挙げていました。

メディアや商品などを通してこうした取り組みが更に広まり、消費者の関心が高まっていくことで、環境問題に積極的な企業の商品やサービスを使いたいと思う意識も高まっていくのではないかと考えられます。

(digmar編集部)