コロナ禍で選ばれる調理家電(キッチン家電)は何が重視されるのか?

『コロナ禍における調理家電購入者1,000人の実態調査』

新型コロナウイルス感染症が国内で確認されて1年以上経過しました。以前のような外出も難しい状況が続いていますが、その状況下の『巣ごもり生活』対策として、色々な商品を買い揃えている人も多いのではないでしょうか。そこで今回、調理家電に注目し、どのような商品が購入され、満足が高い商品はどんな商品であるか、調べてみました。

調査概要

・調査手法:インターネット調査
・調査時期:2021年3月
・調査対象者:2020年3月以降に調理家電を購入した全国20歳~59歳の男女
・有効回答数:1,000名
・調査主体:弊社(株式会社 マーケティング・リサーチ・サービス)

ライフスタイルの変化

生活面の変化について聞いたところ、「家にいる時間」が増えたと回答した割合が71%でした。また、「家事に費やす時間」49%、「家族との会話」47%が増えたと回答した割合が高かったです。一方、「友人・知人とのコミュニケーション」が減ったと回答した割合が53%であり、「娯楽に費やす時間」は35%が減少したと回答しました。

ポイント

在宅時間は増え、家事などに費やす時間も増えている傾向ではあるが、自由に使える時間が増えているわけではないと考えられる。

購入した調理家電(キッチン家電)は?

コロナ禍において、購入した調理家電は、電子レンジ/炊飯器が最も高く30%、次いでトースター24%の順でした。

その調理家電を購入した理由は?

購入した理由を聞いてみたところ、「電子レンジ」「炊飯器」「トースター」などは「以前使っていたものが古くなった」「使っているものが壊れたから」という”買い替え”が主な目的でした。

また、コロナ禍が購入に起因している「家にいる家にいる時間が増えて、家の中を充実させたくなったから」の割合が高かったのはパン焼き機32%、コーヒーマシン/たこ焼き専用機/電気圧力鍋27%の順でした。

ポイント

コロナ禍で購入した調理家電の上位商品(電子レンジ、炊飯器等)の購入要因を見ると、買わざるを得ない商品(「古くなった」「壊れた」などの買い替えや「必要になった」が主購入理由)と考えられる。一方、パン焼き機などはコロナ禍が購入起因(「巣ごもり」目的の商品)になっている。

コロナ禍が与えた購入影響度は?

購入する際にコロナ禍が影響したのか(コロナ禍だからグレードを上げたのか、購入したのか、影響なかったのか)を聞いてみました。

■普段よりもグレードの高い商品・・・コーヒーマシン57%、パン焼き機47%、ミキサー/電子レンジ37%
■コロナでなければそもそも購入していなかった商品・・・たこ焼き専用機40%、電気圧力鍋38%
■普段と変わらない商品・・・電気ケトル63%、フードプロセッサー50%、電子レンジ/炊飯器49%

ポイント

グレードの高い商品を買う傾向にある商品は、コーヒーマシンなどの「巣ごもり」目的の商品が多い傾向にある。前述した「買わざるを得ない商品」は、普段と変わらない商品を選んでいる(購入に際してコロナの影響をあまり受けなった)と考えられる。

購入した調理家電(キッチン家電)の使用頻度は?

使用頻度を聞いたところ、使用頻度が高かった(よく使っている+どちらかというと使っている)のはコーヒーマシン90%、電気ケトル85%、電子レンジ84%の順でした。一方、使用頻度が低かった(どちらかというと使っていない+使っていない)のは、たこ焼き専用機が17%、ハンドブレンダー16%、ホットプレート15%の順でした。

また、使用頻度の変化を聞いてみたところ、使用頻度の増加(増えた+やや増えた)の割合が高いのは、コーヒーマシン76%、パン焼き機68%、電気圧力鍋65%の順でした。一方、減少傾向(減った+やや減った)の割合が高かったのが、たこ焼き専用機で13%、次いでミキサーが10%で全体的に低い傾向でした。

ポイント

使用頻度が増えた商品は、「普段よりもグレードの高い商品」を購入した商品が上位になっている。グレードを上げたことで、お気に入りの商品を購入したため、使用頻度が増えたのではないかと考えられる。

コロナ禍で購入した調理家電の満足度は?

満足度が最も高かった(満足している+どちらかというと満足している)のは、コーヒーマシン89%、次いで電気ケトル86%、電気圧力鍋83%の順でした。

ポイント

満足度が高いコーヒーマシンは日頃から使う頻度も高い商品であるが、「巣ごもり」目的で購入された商品でもある。つまり、普段使いの側面もありながらグレードも高いものを購入したことで満足度が高くなったと考えられる。

まとめ

コロナ禍に購入された調理家電には、「巣ごもり」目的で購入された商品と「買わざるを得ない商品」(買い替えなど)の2つに購入起因があるように見受けられました。前者はコーヒーマシン、パン焼き機、たこ焼き専用機などであり、後者は電気ケトルやフードプロセッサーなどです。また、満足度をみてみますと、コーヒーマシンや電気ケトル、電気圧力鍋が高い傾向でしたが、この順位から判断すると購入起因による満足度への影響度はあまりないように思えます。では、どのような点で満足度に影響を与えているのか、その要因をもう少し深堀してみたいと思います。

これは購入する際に重視した点を聞いたものをまとめた表です。

コーヒーマシンをみますと、「手入れ」「メーカー」「多機能」の割合が高いです。本編にありますように、普段よりもグレードの高い商品を購入しており、多機能やメーカーといった質が重視され、手入れなどの手間が重視されていることがわかります。

また、二番目に満足度の高かった電気ケトルについて、コーヒーマシンと違いを見ると、「高機能」はあまり高くはない傾向です。このことから、機能面は商品によって要求度が違ってくるのではないかと考えられます。

一方、「手入れ」「頻繁に使用できる/すること」もコーヒーマシン同様、高いことから、日常使いが重視されていると考えられます。さらに、「メーカー」についても高い傾向にあることから、品質を重視していると言えるのではないかと思われます。

この結果をまとめますと、コロナ禍で選ばれる調理家電は、ある程度の品質が求められ、“手入れなど手間がかからないような普段使いの要素も兼ね備えた商品”と考えられます。

この調査後、メーカーにご協力頂き、インタビューを行いました。併せて、そちらもご一読ください。(詳細はこちら

(digmar編集部)